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■ 星降る夜に君に触れれば 4.5
■ 第4.5夜 ■
振り向かせたシリウスは、目尻に涙を溜めて、瞳を潤ませて。微熱で身体を熱くしているように見えた。その様子は何とも言えない程扇情的で。
『パチン!』
心配になって手を伸ばすと払われる様に拒絶された。 「…ごめん。…今は触られたくない…。」 震えながらようやく言葉を紡ぐというその様子に、『やっぱり…』と推測していた答えが確信に変わった。だったら…あの薬がきくかも知れない。
「まってて。今薬を持ってくるから!」
リーマスは慌てて階下の小さな部屋にその薬を取りに走った。早く、シリウスをあの熱から解放してあげたい。あのままでは酷だ。 数分後、持って来た小さな薬のはいった包み紙と水をシリウスに渡して飲ませた。
「大丈夫?」 「……大分良くなった。…どうしようかと思った…。」 まだ、潤んだ瞳をしたシリウスが、それでも楽になった…とベッドに寄り掛かって座っている。 「一体…あのCDはなんなんだ!!」 「実は…。僕もよくは知らないんだ。ホグワーツから戻る時にジェームズに持たされて。」 「あいつかあああ!!!!」 次にあったら絶対にボコる!と決心をしているシリウスをみてリーマスは苦笑した。ああ、ようやく落ち着いたようだな…と安堵の息を漏らす。 「で?あの薬は?何でお前には症状がでなかったんだ?」 不思議そうに聞くシリウスに『あ、今の表情可愛いかも。』とリーマスは思ったが、慌ててそんな思いを持っていた事を気取られないように隠した。
「薬は僕が狼人間になった時に使うものだよ。あ、大丈夫だからね。普通の人が使っても支障はないって聞いているから。症状がでなかったのは…。多分…僕は狼人間だからじゃないかな?」
『人間』という個体を組織する上で必要になるDNA、染色体、RNA、そして塩基配列などの情報において、狼人間はそれになってしまった瞬間から異なった生物と化してしまう。厳密に言えば、見た目は人間のそれとなんら変わる事はないが、情報を構成している物質が変化させられる事で、『核』が人間のモノでは無くなってしまうと言う事なのである。一身専属制で他人には伝染しないが、その治療方法は未だ見つかっていないと言う。
「人間に効くものでも、僕には効かない事が多いし。…何より…。」 備わっている自然治癒能力が僕は通常よりも高いからね…。 だから、ジェームズも計算外だったと思うけれど…と話す。
「そんな寂しそうな顔するな!」
シリウスが『ぎゅっ』と抱き着いてくる。そんな様子に戸惑いながら背中に手を伸ばした。
「今はオレ達がいるじゃないか…」 「…そうだね。」
伸ばされる腕の力が嬉しくて、リーマスは心地よさと愛しさが込み上げて来た。もしも。あの時、自分もあんなふうになっていたら…。あのままジェームズの思惑通りになっていたら。 …シリウスをどうにかしてしまっていたかも知れない…と言う現実に、勿体無いけれど、しなくてよかったという複雑な気分になった。けれども…。
「ねえ…シリウス…」 「なんだ?」 「…キス…してもいい?」 「!!?」 「キスしたい。君と。」
リーマスは顔を真っ赤にしながら真直ぐな目で見つめた。初めての意思表示だったが、どうしても今、ここで、シリウスとキスをしたかった。 シリウスはそんなリーマスの顔をじっとみて、少し考えた後、すっと瞳を閉じた。 リーマスはその様子を『いいんだな…』と解釈した。
触れるだけの優しいキス。 想像していたよりも暖かくて、柔らかくて。 そして、 …とても緊張した。
何度も何度も啄むようにキスをくり返した後、そのままじっと見つめあった。ふいに、お互いに真っ赤になっている顔に吹き出してしまった。 …それでも抱き合っている様子は変わらなくて。 リーマスはくすくすと笑い続けるシリウスに、『…緊張感がないなぁ』と苦笑しながらもう一度キスをした。
やっぱり。 君とできるならば両思いになりたい…。 穏やかな水面のように、深く深く抱き締めたい。
そう思わずにいられない程に愛しかった。
TO BE NEXT
■白状します。アップする前にすっ飛んだものには『キスシーン』は入れていませんでした!!いやぁ。何かTMNETWORK聴きながら描いていたら何故かこんな乙女に!!!恐ろしい!!さすがTM!(違うだろう!)まぁ、すでにあたしの思惑から脱線しまくっていますが、これも御愛嬌と言う事で!!
■そういえば、数人の方からTMNETWORKについて『私も好きです!』とメール頂きました。そうですよね!いいんですよ!!!ヤマダのお気に入りはアルバム名『SELF CONTROL』と『HUMAN SYSTEM』と『CAROL』です!!本気でハマって小学校6年生あたりからライブへ!!(たまたま近所に県民文化会舘なるものがありまして、そこへ来てくれたんですよう!)あああああ!!!何を覚えて入るって、ケビン役の松本さん!!(現ビーズ)ああん。すんごい愉しかったのう〜。素敵な想い出です!ファンクラブにもは行ってしまう程のハマりっぷりで、周りの人間はさぞかき回された事だろうと思います。ふふふ。好きだよう!!!今聴いてもいい曲ばかりです!
■例の裏裏小説ですが、一応アドレス請求のお返事は全て送りました!…もうしないよ。アドレス請求制なんて!!っつーか、もうあのくらいのは描けません。さすがに。司書時代に『勝●梓も南里征●もよくこんなの書けるよね!』とか言って笑っていましたが、アレはアレで苦労するんですね。ううう。エロ描くのって全ての力を出し切るような気がします。しかも、描いてから大分時間が経っているために、勢いに欠けて冷静にみちゃうし。〜〜〜〜ッッッ!!!恥ずかしかったよう!!!ヤマダお子さまだから!!!(嘘を付け!)…ホントもうこりごりです。はふう〜。
■スクリーン(映画雑誌)の最新刊を購入しました。ハリぽた特集だったし、ユアンもでてるし。とか思って読んでいると、ジュード・ロウが。
『自動車泥棒に間違われたァァァア!!?』
そんな阿呆な事で三面記事に乗らんでくれよ!アンタ!!あたしゃ写真付きのあなたの記事に一瞬時を止めてしまったよ!!(本気) …そしてその写真(小さいけど)をコピーして来て、(しかもわざわざカラーコピー!!…アホや…)にシリウスってこんな感じかなぁ〜って髪の毛描いてみました。ええ、もう末期です…。泥棒の件は、もちろん、相手側のただの誤解だったようですが。全く、ルーマニアまで行って何やってんのさ〜。(苦笑)しかし、新作の映画が愉しみです!ニコール・キットマンとの共演だし!! …ユアンもね、あれを『ルーピン先生』と見るには…。(以下ノーコメント)他の予定者よりはもちろん一番良いんですけどね。 まぁ、仕上がりを待つ他ないか。と。 ■しかし、最近私生活の方も落ち着いて来たので、ようやくダレン・シャンの7巻の続きを読みはじめました。次の原稿の前に読み終えないと!!和訳ではもう少しかかるかも知れないので、一足早く楽しんでいます。いやぁ。ダレン…良いね!!!(ニヤリング)
さて、『例えば君の〜』の方に取りかかります!
2002年08月27日(火)
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