どこかで聞いた声だと思ったら、原田郁子じゃないか。ボーダフォンCMで使われているのはクラムボンだった。大学以来なのでもう4年ぶりに聞いたのだが、相変わらずいい声といい歌だ。当時はよく聞いていたのだが、いつの間に聞かなくなってしまった。
久し振りにアルバム「JP」を引っ張り出して聞いてみると、ああこんな感じだったっけ。ここでこう跳ねて、こんなコーラスがあったっけと、少しずつ曲を思い出してくる。古臭かったり青臭かったり、アレンジに首を傾げたくなるところもいくつかあるが、そこは4年前の話なので仕方ない、差し引いても十分格好のいい作品だ。何より楽しそうに音楽をしていることが伝わってきて、音楽がどんなものだったか思い出した気がした。ああ、音楽ってこんなもんだっけな。最近ちゃんと聞けてなかったかもしれない。
不思議なもので、音に紐付いた当時の記憶も呼び起こさせられる。きっと音に擦りこまれて染み付いているんだろう。ああ複雑。聞かなくなったつまらない理由を思い出した。
ボーダフォンのCMで流れていたクラムボンの曲は、4年前に比べて格好よかった。しばらく見ないうちに随分とこなれて、いつのまにこんな大人っぽくなってしまったんだろう。彼らのその4年間を知らないのが何となく悔しく、どれだけ成長したのか気になるので、今度新しいアルバムを買ってみよう。久し振りに懐かしい人に会ってみる、そんな楽しみ方もあるのかもしれない。「パンと蜜をめしあがれ」はどうやら名曲だったようだ。
ほんのり感傷的になった次第。
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