バス・キラン - 2002年07月11日(木) 朝7時。工業団地周辺は自動車で出勤ラッシュに なる。 いつものように 僕の車の横をぼろぼろの大きな 青いバスが大きな音をたて猛スピードで追い越し ていく。 同じ色のバスが何台もだ。 バス・キランと呼ばれる工場・従業員 通勤用の専 用バスだ。 工場現場作業員は車を持たない貧しい人が多い。 工場ごとにバス会社と契約しており 彼ら彼女らを それぞれの地域でピックアップして工場との間を 往復する。この周辺の工場は皆そうしている。 国の政策により、バス・キランは必ず 青 で塗装さ れていなければならない。 側面には "バス・キラン" と黒文字で書かれてある。 "キラン" とは現地語で "工場" の意味だ。 新車でない限り ほとんどすべてのバスは古い型式 のもので、ぼろぼろで、ほこりだらけで、運転が荒 い。 その見た目とスピードのせいか、いつ見てもバスジ ャックにあって暴走しているようかの様にみえる。 僕の勤める工場にも ぼろぼろでほこりだらけの バス・キランが入ってきた。 5時30分夕刻。終了のサイレンとともに従業員達が 壊れて開け放しになってるバスのドアから乗り込 む。仕事から解放されほっとしてるのか皆 楽しそ うだ。 そんな様子を2階からみてた僕に 皆気づいたよう だ。大きく手を振ってくれる。 管理部門の責任者である僕にとって従業員との貴重 な触れ合いの時だ。 バスが動き出した。皆、再び 手を振ってくれる。 素朴で愛想のいい人達。 僕もバスが見えなくなるまで手を振り続けた。 ...
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