ジョージ・エルスの日記...ジョージ・エルス

 

 

マカン - 2002年07月24日(水)

レストランに入ると まず店員に「マカン?」と
声をかけられる。マカンとは現地語で「食べる」
の意味。「お食事ですか?」ときいてるのだ。

通常この国の人達は 中華料理や日本料理の時は
箸を使うが マレー料理やインド料理の場合は
スプーンとフォークを使う。

右手にスプーン、左手にフォーク がこの国流だ。

僕は幼い頃日本で育ったのでいまだに西欧式の
フォーク&ナイフは使いづらい。快適には程遠い。

対して スプーン&フォークは非常に扱いやすい。

スプーンだけでは掬(すく)えないものを 左手に
持ったフォークでスプーンの上にのせてやる。

スプーンと同じ持ち方をすれば左手でのフォークの
扱いも簡単だ。音をたてずにご飯粒ひとつ残らずき
れいに食べることが出来る。

使いやすさを追求した非常に合理的な方法だ。


しかしもっとすごい光景に出くわすことがある。

素手で食べてるのだ。

邪道でもなんでもない。この国の正式な食べ方だ。


この国のレストランにはトイレとは別に手洗い場が
ちゃんとある。食べる前に手を念入りに洗う。食後
もここできれいに洗えばそれでいい。

僕も最初の頃このスタイルに挑戦したがこれがなか
なか難しい。

親指と人差指だけ(時々中指も)使うのならピーナッツ
を食べる要領で簡単だ。

しかしライスをつまむ となるとうまくいかない。少量
しか口にもっていく事ができず イライラしてしまう。

指全部を使ってつままなければいけないのだ。これが
難しい。こっちの人は皆 器用に口に持っていく。

道具を使わない 究極の合理性だ。



結婚式に呼ばれた。マレー式食事会。頼めばスプーン
を持ってきてくれたんだろうけど 素手で挑戦してみた。

あいかわらず 食べ物をうまく口にまでもっていけない。

前に座った少年が 僕が格闘している様子を見てニタニタ
笑ってる。

けっこう年配の日本人で 箸の使い方が不器用な人をみると
思わず笑みがこぼれることがある。年配にもかかわらず
子供みたいじゃないか と。

この少年もそんな印象で僕を見てたんだろう。


この国では 僕もまだまだ 一人前ではないという事だ。

















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