ミドルエイジのビジネスマン
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2003年01月18日(土) ハリー・ポッターと秘密の部屋

子供と一緒に映画「ハリー・ポッターと秘密の部屋」を観てきた。保護者同伴という訳だ。コンピュータグラフィックスもここまで来れば、もう現実と虚構の世界の区別がつかない。

ジュラシックパークを観た時の衝撃ほどではないが、特撮のわざとらしさが全くなく、この世界は刻々と進化しているようだ。昔は自動車が空を飛ぶにしても、羽がなければ飛んではいけなかったものだが、オンボロ車が空を飛んでも全く違和感はないし、さらに上からのアングルで地上を走る列車と重なっても不自然なところはない。また、映画の中で空中ラグビーが展開されるが、これもジェットコースターのようなめまぐるしいスピードで、「頑張ってやっと撮った」というところがない。

わが家では次男が珍しく本もむさぼるように読むほど大好きで、映画も夢中になって観ていた。3時間くらいかかる長編なので途中でオシッコに立ったのだが、トイレが混んでいてできなかったのかと思うくらい早く帰ってきたと思ったら、ハアハアと肩で息をしている。少しでも見逃すものかと、全速力で駆け戻ってきたに違いない。

小学校の低学年くらいまでは子供達の脳の中で現実と想像の世界はそれほど明確に分離していないのではなかろうか。少し前まで、小さな子は自分の頭の中の映像で魔法使いに空を飛ばしたり、あるいは自分自身が飛んで地上を見渡すことを想像したものだろうが、このように完璧なコンピュータグラフィックスの画像を見せられて、混乱してしまわないだろうかと心配になる。

本も世界中で大変な部数が売れているという。わが家にも全部揃っているようだが、パラパラと読んでみた最愛の妻の意見は、次々と事件は起こるが深い感動がないというものだ。お父さんも映画を見た限りでは同感だ。一応、勇気と友情が大切だということになっているようだが、それほどの心理的な葛藤も見受けられない。

日本の片隅でお父さんとお母さんが難癖をつけたところで、現実には世界中で何千万人、もしかしたら何億人という子供達の支持を受けている。当日、映画館の中にいた大勢の子供達は、将来きっと、国際会議やビジネスの合間のランチやディナーの時にハリー・ポッターを何年生の時に読んだとか、映画を見てワクワクしたという話をイギリスやアメリカや、アジアの国々の人たちと交わすことになるのだろう。



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