戯言。
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2002年09月23日(月) 命を懸けて。
借りてきた指輪DVD、3日で5回観ちゃったよ....
日本語字幕2回・吹替え&英語字幕1回、英語字幕2回
の計5回。
これだけ観てたら何かしら思いつくわけで。
で、まず想い浮かんだのが裂け谷での会議での馳夫さん
のセリフ。
"If by my life or my die, I can protect
you, I will."(命を懸けて君を守ろう)
この後に"You have my sword."(剣に誓って)と続く。
で、王子とギムリもそれに続く訳だけれど。
なんか観てて思ったのよ。
命懸けて守られてフロドは嬉しいのかよ、って。
だってガンダルフが逝った(ということにしておく)時、
めっさ辛げだったじゃないスか。
だからかなぁ、そう思えて仕方がない。
まぁ命懸けなきゃやってられんのは分かるけどさ〜この
旅だと。でもそれでもフロドは喜こばんと思うのさね。
で、その不安を取り除けるのは自分的に王子しかいない
んだな〜コレが。
*****
彼らの旅が始まって、まだ間もない頃。
不寝番のレゴラスは小さな物音に気付き、そちらに近付
いた。
すると寝床から出て1人佇むホビットの姿があった。
「眠れないの?フロド」
「レゴラス」
「ここは寒いから、火の近くへ行こう」
そう言ってフロドを焚き火の傍まで連れて行く。
何も言わず、座り込むフロドに違和感を覚えたレゴラス
はフロドに話し掛けた。
「何か悩んでるようだね....良かったら話してみない?」
そう言ってレゴラスはフロドの横に腰を下ろした。
その問いかけにフロドはハッとした表情をする。
「....!気付いてたんですか?」
「気付いていたもなにも、あんなに悲しげな表情でいる
んだもの、何かあったと思うでしょう?」
暫しの沈黙の後、フロドは語りだした。
「裂け谷の会議で、アラゴルンが『命を懸けて僕を守る』
そう言ってくれたでしょう?」
「ああ、そうだったね」
「その後、貴方とギムリも」
「....そうだね」
ああなんとなく分かってきた、彼が心を痛めている原因が。
「嬉しかった。とても嬉しかったです、あの言葉は。僕に
闇と戦う勇気をくれた言葉でした。でも....」
「君は自分を守る為に、命を落とす仲間がでることを恐れ
ているんだね?」
「....そうです。僕は、自分の為に仲間を失うのが怖い」
そう言って小さな手を握り締め、涙を堪えるフロドを見や
りながらレゴラスは語りだした。
「ねえ、フロド。私は死ぬ気はないよ」
「レゴラス?」
涙を湛えた蒼い瞳が、レゴラスを見上げる。
「この旅がどれだけ厳しいものだろうと、私は死なない」
そう、この旅を終え、君と共にある為には死ねないんだ。
「少なくとも、君が使命を果たすまではね。他の皆もそ
う思っていると思うよ」
そう言ってフロドに微笑む。
「レゴラス....有り難う」
フロドもレゴラスに微笑み返した。
「さあ、悩み事は消えたね?ではもう休みなさい」
そう言って寝床に戻るよう促す。
もっと一緒にいたいけれど、彼の疲れを癒すのが先決だか
ら仕方がない。
そしてフロドは寝床に戻っていった。
....筈だったが。
フロドは自分の毛布を抱えてレゴラスの元へ戻って来た。
「フロド?」
「レゴラス、今夜はここで寝て良い?」
そう言ってレゴラスを見上げた。
ああもう、なんて愛しいんだろう私の想い人は!
「ええ、勿論。でもアラゴルンには内緒だからね?」
「そうですね、見付かったら叱られます」
「「『勝手な行動は慎め!』って」」
2人で顔を見合わせてくすりと笑う。
「おやすみなさい、レゴラス」
「ええ、おやすみなさい、フロド」
そして私の傍らで、フロドは眠りについた。
穏やかな寝息を聞きながら、レゴラスはそっとフロド
の髪を梳く。
「私は生きて君を守るよ、君と共に在る為に」
今はまだ私の一方的な想いだけれど、いつかは。
君と共に生きるために、私は戦う。
この、弓に誓って。
*****
やっぱり難しい、短時間で書き上げるのって。