戯言。
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2002年12月21日(土) 指輪的小ネタ(0526)
昔ぁ〜し作成した小ネタが出てきたので日記に保存。
コレ確か映画観て殆ど経ってない頃に思いついたような。
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遥か -side.Legolas-
−−−−−遠く離れた君に、歌を贈ろう−−−−−
「今日も、だな」
「毎晩毎晩、良く続くことだ」
フロド達と別れ、捕らわれたホビット達を救出すべく旅を続ける
アラゴルン・レゴラス・ギムリの3人。
共に旅をする仲間の数は減ったが、1つだけその頃と変わらない
ものがあった。
それは夜毎響くエルフの歌声。
かつてはその腕の中にホビットの若者を抱いて、そして今は彼を
想うエルフ1人で美しい旋律が奏でられていた。
その歌声は決して大きくはなくどちらかというと控えめな音量だ
ったが、何故か心に染み渡る不思議な響きだった。
その夜も変わらず聞こえる旋律。
アラゴルン達から少し離れた場所でレゴラスは歌っていた。
星々が輝く夜空を見上げ、ただ一人を想って。
「フロド........」
目を閉じると浮かんでくる、あの頃の日常。
かの小さき人をこの腕に抱き、語らった日々。
「レゴラス、貴方の歌声を聴くと心が暖かくなるんです。
そしてね、強くなれるような気がするんです」
頬を染めてそう語る君の、なんと可愛らしかったことか。
「それはね、フロド。私の歌が君への想いそのものだからだよ。
君はこの想いをちゃんと受け取ってくれているんだね」
はにかんだように微笑んだ君の姿は今、この腕の中には無い。
「随分と、遠くなってしまったよね」
彼は今頃、どうしているだろうか。
心細くて泣いていたりしないだろうか。
彼を想えば想うほど、恋しさが増すばかりで。
「−−−−−淋しいよ、フロド」
君に、逢いたい。
私の腕の中にいた筈の愛しい人。
君に逢いたいよ、フロド。
でも私には分かってしまったから。
悲壮なまでの君の決意が、分かってしまったから。
だから私は自分に出来ることをしよう。
攫われたホビット達を取り戻し、サウロンの僕を滅ぼして。
そして全てが終わったら、すぐさま君を迎えに行こう。
だから、それまでは。
君の心が休まるように、心を強く持てるように。
その蒼い瞳を曇らせずに済むように。
私は君の為だけに歌い続けよう。
同じ空の下ではあるけれど、遠く離れた場所にいる君に
私の想いが届いていると信じているから。
たとえ運命が私達を分かとうとも、この想いだけは変えられない。
−−−−−フロド、君を愛しているよ−−−−−
(fin.)
王子編。
とりあえず王子のセリフはかなりクサイかと(当社比