戯言。
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2002年12月22日(日) 指輪的小ネタ・続き(0526)。
王子だけじゃ可哀相なので、フロ編も作ってみた。
てか王子編をフロ側から見ただけだけど〜
当時ちゃんと両方書いとくんだったよ....トホホ
***遥か -side.Frodo-***
−−−−−貴方の想いが、夜毎届くのです−−−−−
「夜が、明けなければ良いのに」
「フロドの旦那?」
「いや、なんでもないよ。さあ、もう休もう」
そう言ってフロドは毛布にくるまり横になった。
サムもそれに倣い横になる。
少しして、その場に漂う静けさ。
だがサムは知っていた。
毎夜フロドがそっと寝床を抜け出し、夜空を見上げて涙を浮か
べていることを。
危険だとは思いつつもサムはそれを咎めることは出来なかった。
フロドの思いが分かるから。
愛する者との別離が如何に辛いか、自分も知っていたから。
そしてその夜もフロドは1人、夜空を見上げていた。
周囲には静けさが漂うのみ。
でもフロドには聴こえていた。
かのエルフが奏でる、美しい調べが。
「聴こえるよ、貴方の想いが」
1人空を見上げて呟く。
目を閉じれば目の前に浮かんでくる、あの頃の日常。
彼の腕に抱かれ、その優しい歌声で眠りについた日々。
旅路は険しく厳しいものだったが、なんと幸せだったことか。
でもその手を離したのは自分。
彼は、彼だけには変わって欲しくないから。
あの優しい微笑みを失いたくはないから。
だから、逃げるように彼の許を去った。
でも自分の心は狂おしいほどに彼を求めていて。
どうしようも無いほど恋しくて。
「レゴラス、淋しいよ」
貴方に、逢いたい。
貴方の腕に抱きしめてもらいたい。
貴方に逢いたいよ、レゴラス。
でも、これは自分に課せられた使命だから。
これは僕がやらなくちゃいけないことだから。
だから、僕に勇気をください。
エルフのように聡い耳は持っていないけれど、貴方の声だけは
この耳に聴こえるのです。
まるでその腕の中にいるかの如く、貴方を近くに感じるのです。
貴方の青い瞳が僕を優しく見つめていてくれていたあの頃のよ
うに、心が暖かくなるのです。
同じ空の下ではあるけれど、遠く離れた場所にいる貴方の歌声。
その声が、込められた想いが、僕の心を癒し、強くするのです。
たとえ運命が僕達を分かとうとも、この想いだけは変えられない。
−−−−−レゴラス、貴方を愛しています−−−−−
(fin.)
フロド編。