Turn, Turn, Turn
DiaryINDEX|past|will
2003年06月17日(火) |
一言レビュー6 CHRISTOPHER O'RILEY PLAYS RADIOHEAD/TRUE LOVE WAITS |
★★★★★。今日は、ちょっと番外編的なものを。クリストファー・オライリー、彼の名は聞いたことがあるだろうか。現在のクラシック・ピアニストの中では、その才能と技術と独創性、斬新さがもっとも注目されている一人。世界各地で、イギリス・ルネサンス、フランス・バロック時代の作品から現代音楽の作品までを見事に感動的に、新しい視点で奏でてくれているピアニストだ。
その彼は、レディオヘッドの世界屈指のファンであることも、すでに熱心なレディへ・ファンには知られている。それは彼が上に挙げたような時代を横断するコンサートの中で、レディオヘッドのナンバーもカヴァーしているから。
そして、この「トゥルー・ラヴ・ウェイツ」。彼によってカヴァーされている曲目は、なんと「パブロ・ハニー」から最新ライヴアルバム「ゼイ・マイト・ビー・ロング」まで。"エヴリシング・イン・イッツ・ライト・プレイス"から始まり、"モーション・ピクチャー・サウンドトラック"で終わるのは、実はやはり世界の音楽史に残る名盤であった「KID A」に最大の敬意を表してか。
KNIVES OUT、BLACK STAR、LET DOWN、EXIT MUSIC(FOR A FILM)、YOU、FAKE PLASTIC TREES、TRUE LOVE WAITSなど大名曲達が、信じられないアイディアと技量でピアノの限られている鍵盤の中鳴らされる。バンド演奏とまったく遜色無い感動と哀しみと絶望、そして1%の希望を携えて。
レディオヘッドは、やはりビートルズから繋がる音楽の本質を持っている、そして音楽の未来を切り拓いているアーティストだ。グランド・ピアノ一つに乗せて奏でられるエモーショナルかつストイックなこの作品を聴きながら、真っ直ぐに心を打たれて泣きながら、そのことを再確認するのは俺だけじゃないだろう。
|