rokoのNotebook

rokoのNotebook



酒鬼薔薇聖斗の仮退院

2004年04月18日(日)


 日本は、今年も四季は巡り、綺麗だった桜の花の季節も終わり、新緑の春を
 迎えようとしています。
 少年Aは、今年の桜を何処でどのような気持ちで見たのでしょう。
 自分が7年前に犯した罪によって、もう2度と桜を見ることの出来くなってしまった被害者達に
 思いを馳せる事はあったのでしょうか。
 そして、何より、美しい桜を見て、「美しい」と感じる事ができたのでしょうか。
 3月10日に、仮退院してから、約1ヶ月、何を考え何を感じ、生きているのでしょうか。


 少年A・・・神戸連続児童殺傷事件の加害者である酒鬼薔薇聖斗。
 彼は、1997年6月28日に殺害と死体遺棄容疑で逮捕され、神戸地裁へ送検。
     その後殺人未遂、女児殴打殺人の容疑で再逮捕
 7月25日 地裁は3件を一括して神戸家庭裁判所へ送致、身柄を須磨署から神戸
       少年鑑別所に移送された(観護措置)。
 8月1日 家裁は、審判の決定を開始、
 10月17日 「医療少年院送致」の処分。
 同月20日 関東医療少年院送致。
 1999年11月 関東医療少年院から東北中等少年院へ移送。
 2000年7月 少年Aは20歳となる。
 同年同月 神戸家裁は東北少年院に収容されている少年Aについて「不安の種は尽きず矯正と
       仮退院の生活環境調整のため、継続が相当」として2004年末まで約2年半の収容継続
       を決定。
 11月 あらかじめ予定されていた課程により関東医療少年院へ移送。
 2004年3月10日 関東地方更正保護委員会がAの仮退院を認める決定ををし、Aは、仮退院。


 7年と言う短い期間で、本当に更正できたのか?
 仮退院は早すぎたのではないか?
 又、罪を犯すようなことがあったら、誰が責任を取るのか?
 という、多くの不安の声を聞きます。

 彼が、本当に更正したのかどうか・・・これは、本人を見ていない私も含めた第3者がわかるわけ
 ないのです。
 仮退院をさせるという判断をしたということは、ある程度社会復帰をさせることができるし、
 させなければならないと判断したのでしょう。
 何故なら、彼が少年法の適用された以上、無期懲役という刑は当てはまらず何時かは社会復帰を
 しなければいけないのです。
 それも少年法によれば、20歳迄しか少年院にはいられません。
 20歳を越える前に、家裁の審判を受ければ23歳まで延長ができますが、23歳になって出すと
 なると、今回のように保護観察はつきません。
 (医療少年院は26歳まで入院出来ますが、心身に著しい故障のある場合のみです)
 仮に23歳まで入院していたとなると、14歳から隔離された状態で、直ぐに社会復帰が
 出来るのでしょうか。
 又、23歳迄ならば、保護期間中に問題ありとなれば、少年院に戻る事になりますが、23歳を過ぎて
 しまえば、それも出来なくなるのです。
 
 彼を知る関係者からは「もう少年院でのカリキュラムはやりつくした。」とという声も聞こえます。
 あとは、保護観察を受けながら、現実の社会の中の人間関係で、更正の道を歩んでいかなければ
 ならないのなら、遅くは無い方がいいのでしょう。

 只ある新聞の社説には、
 「今後は男性が確実に更生の道を歩める環境の確保が不可欠だ。
 受け入れる側も差別や偏見を持たず、社会の一員として受け入れることができる
 かどうかが問われることになる。」と載っていましたが、
 本当にそう思うのなら、マスコミが報道しなければいいのです。
 被害者のご遺族には、彼の仮退院を通知する事は必要としても、何故大々的に発表しなくては
 ならないのでしょう。
 又、小泉首相は、法務省の仮退院公表について、「公表してよかったかどうかわからない」と述べ、
 理由について「マスコミの追跡で身元が分かった場合、更正にどう影響を与えるかが心配」と
 記者団に述べています。
 首相が政府の行政当局の対応を批判するのは異例な事なのですが、仮退院を公表するという話は
 前から出ていたのです。
 内閣総理大臣として、どうすべきかをきちんと指示できたはずなのではないでしょうか。

 また、どのような保護観察の指導を受けているかが気になるところです。
 当時のテレビ番組で、保護観察の指導の例えとしての一例で、電車(地下鉄)の乗り方と
 携帯電話の使い方があげられていました。 
 7年隔離されていたとはいえ、21歳の若者です。
 このような事は、指導せずとも直ぐに出来るようになるでしょう。
 こんな事が一例にあげられるような指導って一体どんなものなのでしょう。

 最後に被害者のご遺族の手記を彼の心に刻んで欲しいと思います。
 「加害者を許せるかと問われれば、それは永久に許すことはできません。
 しかし私たちが絶望を抱えたまま、そこに希望を切り開いてきたように、彼にもまた、深い絶望を
 抱えたまま人間として蘇生していってもらいたいと思います。
 自分という人間の輝きを発見することで初めて、彼は自分が奪ったものの真の価値に気づくと
 思うのです。」

 
 
 地方更生保護委員会
  刑務所からの仮出所、少年院からの仮退院を決定する機関。
  高等裁判所の管轄地域に合わせて全国に8箇所設置されている。
  少年院からの仮退院は、少年院側の申請に基づき、委員3人で構成する合議制で、
  可否を決定する。
  委員は、保護観察所、刑務所、検察所などの職員が務めている。
  


 
 

 < 過去  INDEX  未来 >


roko [MAIL]

My追加