2004年07月07日(水)
先日、夕方のニュースを見ていた息子が 「講義を携帯でする大学がが登場し始めたんだね。」と言っていた。
確かに娘が通学している大学でも、大学側からの連絡は、希望があれば 登録してある携帯にメールで来る。 例えば、急な講義の休講とか試験の日程など。 私の大学時代には、考えられない事である。 大学時代に通学時間が2時間以上かかる友達は3年間東京に下宿していた。 4年生の時には、卒業ゼミ関係の講義しかなかったっため、実家に戻ったが、 往復4時間以上かけて大学に来ても講義が急に休講になっている時は がっくりしたものだった。 その事を知った卒ゼミの担当教官は、急な休講の時は、電話連絡網で、 知らせてくれるようになった。 それでも当日の朝に連絡があった時には、既にその友達は出掛けた後 という事もあった。 今と違って、携帯電話もない時代だから、一度家を出てしまえば、連絡 のしようはない。 だから、娘の大学の制度を知ったときには、世の中便利になったもんだと 思っていた。
だが、息子の話を聞いた時、「まさか」と思った。 出欠も携帯でとり、教授からの簡単な質問や学生からの質問もメールで 行われるらしい。 教授からの質問に対し、反応がないという事は居眠りをしている事であり、 学生が気がついて、レスした時、教授の方が 「お目覚めですか?」と皮肉を言った場面があったらしい。 人前で、質問をしたり、自分の意見を言えない若者も携帯なら出来ると いう事で、学生の間でも好評だったという。
で、ネットで調べてみると、息子の話は、明治大学、経営学部の現代 政治学の川島高峰助教授(情報コミュニケーション学部)の講義である事が わかった。 例えば、助教授が一つの質問をすると、彼が作った携帯サイトに学生達が 一斉にアクセスし、親指でキーを押し始めた。 数十秒後、教壇のスクリーンに結果がグラフで表示される。 メールで質問も寄せられ、その場で答える。
学生たちの理解度や共感度を確認し、それをフィードバックして講義を 進めるという少人数のゼミでしかできなかったことが、携帯を使うこと で数百人規模の大教室でもできるようになった。 学生側は「周囲の学生がどう思っているかわかって興味深い。」という。 助教授は「質問や意見が増え、学生との距離が縮まった。理解できない点が あっても今の学生は手を挙げないが、メールなら送りやすいらしい」いう。
この大学だけではない。 佛教大学では、学校全体で、「ケータイ授業」に取り組み、現在全体の 一割程度の講義が利用しているらしい。
確かに、携帯のボタンを動かすことで居眠りをする学生も少なくなると思う し、出欠に携帯を用いれば、時間は短縮するだろうし、代返がしにくいという メリットはあるだろう。 昔のように、教授が棒読みする文章を学生がノートに書き取るなんていう講義 が良いとはいえないだろう。
だが、学生は、何れ社会にでる。 社会では、自分の意見を言わなくてはならないし、人として生きていくために 他人とのコミュニケーションは、必要不可欠になるだろう。 勿論、それが苦手な大人もいる。 大学とは、学問だけでなく、その事も学べる場所ではないだろうか。
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