2004年07月05日(月)
北朝鮮による拉致被害者の曽我ひとみさんと夫のジェンキンス氏、長女の美花さん、二女のブリンダさんの一家4人が9日にインドネシアのジャカルタで再会することになった。 一家がそろうのは1年9カ月ぶりとなる。
思ったより早い再会となった。 再会が11日の参院選投票日の2日前となることに「政治利用」との見方があ るが、曽我さんにとっては、一日も早く家族が再会できる事に越した事はない。
只、懸念するべき問題は多々ある。 北朝鮮からお世話係と称して政府関係者数人が同行するという。 1年9ヶ月前に、拉致被害者たちが帰国した時と同じように、家族が自由に話 し合えるように、同行する人間をジェンキンス氏らから離さなくてはならない。 思ったより素早かった北朝鮮の態度の裏に何かあるのではないか、という事も 懸念される。 過去の歴史からいっても見返りなくして、このように日本に協力的な態度に 出るとは考え辛い。 そして、何より、ジェンキンス氏自身の問題が未だに解決されていない。 何しろ、アメリカは、ジェンキンス氏の訴追問題に対して態度を変えてない。 この問題が解決しない限り、曽我さんがジェンキンス氏が日本で暮らすように 説得するのは、かなり困難であろう。 多くのアメリカ人ジャーナリストは、 「日本へ連れてきて、アメリカに引き渡さければよい。今、アメリカはジェン キンス氏一人の問題で、日本と対立するような真似はしない筈である」という。 曽我さん一家の問題は、まだまだ始まったばかりである。
それでも「よかったです。だいぶ気持ちが楽になりました」と語った曽我さんに、幾分笑顔が見られた。 彼女のあのような笑顔は、帰国以来はじめてかもしれない。 この笑顔が、再び曇る事のないように、そして、全ての拉致被害者とその家 族に同じような笑顔が戻ってくるように、願わずにはいられない。
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