夢を見た。夢の中であたしは泣いていた。 去っていくそうるの背中を。ただ見つめて泣いていた。 追いかけなければ終わってしまう。そう分かっていても。 あたしはその場に凍り付いて。ただ泣いていた。
夢の中であたしは言った。 愛しているから別れよう。 あたしの気持ちはいつだって重すぎて。 君を押しつぶしてしまいそうだから。 そしてあたし自身も君を愛しすぎて。 心が壊れてしまいそうだから。 君のことを愛しているから。 永遠に君のことを愛していたいから。 これ以上ボロボロになる前に。別れよう。
夢の中でそうるは言った。 ごめん。こんなふうになってごめん。 でももう君のことが理解できない。 この気持ちが愛なのかどうかも分からない。 君の愛に向かい合えている自信がない。 ごめん。正直もう疲れてしまった。 君を愛するのも。君に愛されるのも。疲れてしまった。 君が悪いわけじゃない。君を責めてるわけじゃない。 ただもう君とはやっていく自信がない。別れよう。
胸が引き裂かれそうで。もう死ぬんだと思った。 体の奥から突き上げてくるような痛みに。耐えられなかった。 こんなに痛いのに。どうして別れなんて選ぶんだろう。 こんなに愛しいのに。どうして離れようと決めたんだろう。 自分で自分の行動が理解できないまま。あたしは苦しんでた。
そうるの名前を呼びたくても。声が出なくて。 そうるに向かって走り出したくても。足が動かなくて。 見つめるその姿が。だんだん小さくなっていくのを。ただ見つめていた。 振り返ってこっちに戻ってくることだけ祈って。見つめていた。
でもそうるは。白い光の中に消えていった。
目覚めて。あたしは大泣きした。 あんなに泣いたのは久しぶりやった。 夢でよかったという思いもあったけど。 こんな夢を見た事実が痛かった。
あたしはどんな精神状態なんやろう。 なんで別れる夢なんか見るんやろう。 ほんま最悪や。こんなときに別れる夢とかありえへん。 正夢になるんじゃないかって。余計な心配してまうやんか。 そう思って。朝っぱらからわんわん泣いた。
たぶん前のあたしとそうるなら。こんな夢だって笑うことができた。 でもあたしは。今回の夢のことはそうるには言わんかった。 言わんかったとゆーか。言えんかった。
ありえへんことやけど。あたしが夢の話をしたと同時に。 「じゃあ別れるか。」みたいに言うそうるが。一瞬想像できたから。 いつものクールな調子で。なんでもないことみたいに。 さらっと言うそうるを。思い描けてしまったから。
こんなそうるを作り上げるなんて。どうかしてる。
ねぇそうる。最近まともにあんたと向き合ってへんせいで。 あたしの中で。あんたもどんどん暴走していく。 たぶん本物のあんたなら言わんことやせーへんことを。 あたしの中のあんたは。平気な顔してやらかす。 だからあたしは。勝手にどんどん怖くなる。 そして本物のあんたさえ。少しずつ疑っていく。
あかんやん。こんなのあたしらしくない。 なんやの。この弱気具合。このマイナス思考。 そして。すべてをあんたのせいにしてるとか。 あんたに会えへんせいだけにしてるとか。 あたしが1番キライとするやり方を。今のあたしはやってる。
あぁ。抜け出したい。抜け出したい。 ねぇそうる。あたし今の状態から抜け出したい。 だって。こんなのちっとも楽しくない。 現状を嘆くばっかりじゃ何も変わらんのに。
ちゃんとしたい。前を向いて笑いたい。 ねぇそうる。あんたに向かって笑いたい。 そしてあんたに。触れてもらいたい。 髪を撫でて。ほっぺたをつまんで。 「あほやなぁ。」って笑ってもらいたい。
身近でちょっとぐらい優しくしてくれる人がいたって。 あたしを心の底から満たすのは。あんたしかいない。 多少のスキンシップにぐらついたとしても。それは一時的なもので。 そうる。あたしはあんたがいい。あんたじゃなきゃ意味がない。
この気持ちが愛じゃなくていったい何なんよ。 分かってるくせに。自分でも分かってるくせに。 すぐに難しく考えて。すぐに見失って。戸惑う。 いつまでたっても。こんなあたしのままでごめんね。
ねぇそうる。あたしどうするべきか。ようやく見えてきたよ。 ↑わがままでも自分勝手でも。分かってほしいから。
*ひとりごと* あたしはいつも。気持ちの整理をつけるために書くから。 書いてるうちに方向性がどんどん変わっていくみたい。 最初と最後じゃ全然違うし。ちょっと困りもの(苦笑)。 |