ねぇそうる。今日はちょっとだけ時間ができたから。
昔の試合のビデオを持ち出して。気分転換に見てみた。

最近ちょっと仕事にも疲れて。だらけまくりのあたしは。
なんとなく過去に酔いたいような気分やったんかもしれん。
ごはんの後にチューハイを１缶。自分へのご褒美。
ふわふわしたいい気分で。ビデオを再生した。

ねぇそうる。そこに映るあんたに。あたしは射抜かれた。
分かってたけど。こうなることは分かってたけど。
打ち抜かれた心は。ヒリヒリ焼けるように痛くなった。
愛しくて恋しくて苦しかった。会いたくて抱きたくてたまらんかった。

あんたはかっちょよすぎた。
瞬きさえ忘れて見とれた。
ため息が出た。鳥肌が立った。
ちょっと泣きそうになった。

好きやよ。好きやよ。大好きやよ。そうる。
思わず画面をなぞって。心の中で叫んでた。

駆けていくあんたに。見とれてるあたしが映ってた。
シュートを決めて高々とクロスを上げるあんたに。
これ以上ないくらいの笑顔で駆け寄るあたしが映ってた。

ねぇそうる。あんたのそばにいるあたしは。ほんまにいい顔をしてる。
幸せな人はこんな顔をするんやろうって顔を。あたしはしてる。
あたしはきっと。あんたのことが誰より１番好きやけど。
あんたといるときの自分のことも。大好きなんやろうと思う。

そんなふうに自分を好きになれるのって。やっぱり幸せなことやんね。

ねぇそうる。愛しいのに会えない。恋しいのに抱けない。
それがもどかしくて。あたしはいつも不満やけど。
それでもあんたからこうやって間接的に幸せをもらってる。
会えないからこそ。抱けないからこそ。得られる幸せのカタチもきっとある。

だったらそれを。ちゃんと大切にできるあたしでいたい。
幸せを見失わずに。あたためられるあたしでいたい。