きままくらし

2002年10月09日(水) 加齢と向老

たわいなく 夫と話をしていて、、、

  「老いがすすむと加齢臭がするらしい・・・」と夫はじぶんの
   うなじあたりを 指でさしながら言う。

  「ふ〜ん、、、、」と聞き流してはいたが、、、ドラッグストアで
   それら用のシャンプーやら、ボディ・ソープを目にしたことが
   あった。

 老いにむかう夫婦の会話は、艶もなにもあったものじゃないが、
 確かに 老いにむかうこのごろは 関心がお互いの健康や体に向いて
 いる。

また、ある時 
   
   "死ぬ時に ひとは それまでの願いが すべてかなうらしい・・・”
   と、夫は感慨深げに言い、それがどこから聞いたはなしなのか
   真偽のほどもわからぬが、、わたしは答えた。

   ’そう、そう、、、そうかもしれないね・・
   父が、息を引き取る前に、口を大きく開けてね、それから
   「うむ」と口を結んだんだけれど、、あの時の顔 とても幸せそう
   だった、、、喉をごくりと鳴らすようにね・・
   きっと、 あのとき父の望みは叶ったのね。大好きな酒を飲んだ時
   のようだった・・・’と。

  夫は死のときには居合わせなかったが 義父のことを思い 静かに頷
  いた。


私は、どうだろう・・・夫は 好物の果物を パクリと するのだろうか?
酒ともタバコとも縁のない夫。食後の果物を食べる時の目の細めようがすぐに浮かぶ。 位牌の前に ダミーの果物を供えるよと以前冗談で言ったことがある。 プラスティックだかのりんごやみかんや葡萄を 本当に並べるかとおもったのか、夫は不機嫌そうな顔をした。

わたしは 紫けむりがだいすきなので・・・去るときには、息をふぅ〜と吐いて それから いとおしく その煙を吸い込むように息を引き取るだろうか? それとも、淹れたてのコーヒーを飲み干すようにのどを震わすだろうか?

ささいな そして 大切な 嗜好 の ことで、、、思わぬ最期の想像をする 秋の 午後だった・・・





↑エンピツ投票ボタン

My追加


 < 来し方  INDEX  行くすへ >


きままくらし [MAIL]