【シュークリーム作成日誌】

2002年10月23日(水) SSS#31「瀬戸口→水色速水 ギャグ1」

事あるごとに食事にお酒にお付き合いくださる我らが小隊一の美女ことシラタマ姐さんと、先日、悪企みのために集結しました。
場所はシラタマさんのテリトリー(?)銀座…ではなく、今回は新宿でした。
私の記憶が正しかったなら、昼から夜までほぼバンビづくし。バンビの饗宴な一日でした。
お昼ごはんはシラタマさんに連れて行って頂いた、洋食屋「バンビ」で。
こもの屋さんを通る度に、レーダーでも付いているのではないかと疑われるほど、バンビグッズに反応する、挙動不審者二名。
目的を果たした後は、若い女性の二人連れらしく…ケーキとお茶ーvと行ったのですが、やはりこのメンツですから(微笑)夕ご飯は呑み屋さんでと相成りました(笑)
更にその後は近くのバーに入ったのですが…、若干酔いの回ったうら若き乙女(謎)、店の片隅でペーパーナプキンを使っていきなり連想ゲームを始めてしまいました。その証拠品は私が押収(?)しました。
こうして後日になってみると、なんだかおかしいです。酔っ払いの思考。

それにしても、私は当日風邪を引いていてへろへろで、シラタマさんに「今日は薬を飲んでいるし、体調もあまり良くないので、お酒は控え目にします…」とか言っていたのですが…。
一体どこらへんで自分の言った事を忘れたんでしょうねえ。私は。








【瀬戸口隆之受難の日 1】





誰かがあからさまに普段と違う態度で接してきたとき、人は必ず不安に駆られる。
曰く、今日の俺は傍から見てどこか可笑しいのだろうか。
曰く、こいつは何らかの下心があって俺に話し掛けているんじゃないか。等。
特に、普段は愛想というものをどこかに置き忘れてきたんじゃないかというような人物が、にこやかに天使の如きぽややんとした微笑を浮かべながら話し掛けてきた時、思わず身構えてしまった瀬戸口に、「お前は疑い深い。もっと素直に生きろ」と説教できる人物はそうそういないだろう。

「瀬戸口君、あのね。僕、お願いがあるんだけど」

にっこり、微笑みつつ小首を傾げる速水のさらさらとした青い髪が、重力に連れて一方向に流れる。
愛らしい顔つきに、愛らしい仕草、愛らしい口調。
例えようもなく似合うはずのその仕草は、瀬戸口の目にはとてつもなく不吉に映った。
普段の速水なら、「お願い」などと余計な前置きなど無い。「士翼号を陳情しておけ」とか、「NEPを接収(?)しておけ」とか。命令一号。二言なしである。
更に、瀬戸口はここ一月ばかり、「不適な微笑み」以外の速水の笑顔を見たことが無かった。

「お願いって何だい?速水…」

出来るなら見なかったことにして立ち去りたい気分で一杯だったが、教室中から注がれる「何とかしろ」視線が全身に痛い。
愛の伝導師の習性か、この上なく愛想良く微笑んでしまう自分が悲しかった。

「お願い聞いてくれるの!」

きらきらと輝くサファイアブルーの瞳が眩しい。
目どころか全身が重圧で潰れそうになる。

「…俺に出来ることならいいけれどな…」

どこか遠くを見つめる瀬戸口。

「君にしか出来ない事なんだ!」

世界も征服出来そうな可愛さ全開の笑顔で応える速水。
クラスメイトたちが固唾を飲んで見守る中、ついにその瞬間がきた。

「お願いっていうのはね…仲人を…やって欲しいんだ」

下を向いて照れながらそういう速水の頬は、桜色に染まっていた。

「な…なこーど?菜コードって…ナコウドのこと?」

ショックのあまり一時的に言語中枢がイカレたらしい瀬戸口は、なぜか片言になっている。
壊れた洗濯機の如く、がくがくぶるぶると震えながら、少年の華奢な肩に手を置いた。

「仲人って事は…結婚…するのか?お前さんが?」
「うん」
「だれ…もしかして、芝村……」
「そう…」

速水の頬はますます紅くなり、しっとりと潤んだ瞳は夜空の高みの星の如き輝きに彩られた。

「そう、僕、結婚するの。芝村…









準竜師と 」






「………。
 …はぁ!?

瀬戸口だけではない。教室中の人間の口が、開きっぱなしになった。


つづく
(↑続くんかい…;)


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