京都新聞の日曜版は梅原さんの「京都遊行」や読書の特集があって、読みふけるほどおもしろい。
今回は毎月1日にでる『1日版』のトップに懐かしい名前を発見。うわぁー久しぶりだな、と思わず声に出た。 木村英輝氏、団塊の世代でロックにはまっていた京都の人ならその名前は知ってると思う。京大西部講堂で「Mojo West」を仕掛けた方です。 どちらかというと、「村八分」を一時期プロデュースした人として知っていたんだ。まぁ、こっちはハイティーンから20代前半のロックファン。裏でいろいろとあったんだろうけれど、そんなことは知らないほうがいいよね。
略歴はさておき、美術の人だったのが意外だった。 木村さんは京都の人だと思っていたけれど、大阪・泉州の出身。でも高校から京都だからとっくに京都での暮らしが人生の半分以上になってる。それでもいまだに「泉州魂は健在だ」とおっしゃる。で、京都のいやなところを書くんですよね。おもわずぼくもそうだそうだ、と。 だけど、ロックのオルガナイザーや京都のイベントのプロデュースとして駆けぬけてきた35年の間に、京都の魅力にどっぷり浸かり、京都人になっていた自分を再発見する。いつごろからか甲子園でも大阪代表ではなく京都代表を応援するようになっていた、と。(ぼくもそうです。京都が負けたら大阪を応援します)
いやだけど魅力もわかる。そんな京都に「泉州人」の精神性で対峙しつづけるんや、と。うわぁー、元気やなぁ。 ところで「泉州人」とはどんな人か。典型的なのは巨人の清原です。
ところで、美術界ではあるけれど木村氏の言葉で興味深かったのは「細かいテクニックは捨てること、大雑把に捉えた方が本質が見えてくることもある。理屈はいらん。技量をそのままぶつけるだけや」と。 木村さん、やんちゃだね。かっこいいオーバー60歳ですな。 いやいや、ぼくも30年ぶりに心が燃えましたぜ。
そして、本ですが池内紀さんの「二列目の人生 隠れた異才たち」がおもしろい。これは京都新聞の読書欄でも紹介されてます。ドイツ文学の訳書や著書の多い池内さんですが、この本はそういう本ではなく、自分の住まう所にこだわり、「中央」に背を向けて自らの信ずるところに従った16人の人生が紹介されています。 中央のアカデミズムがなんだ!!名声がなんだ!!という気にさせてくれるから楽しい。それぞれの人の業績は「そういう人達」と肩を並べるぐらい素晴らしいのです。ただ、一般にはまったく知られていない。(その地方ではとても知られてはいますが) 池内さんいわく「みな精神的な自由人」だと。
うむうむと思って、たしか桂にお住まいの池内さんのプロフィールを見ると、姫路のご出身でした。この本のきっかけも故郷の近在に住み、生物学、植物学に膨大な研究を残された大上宇一というひとに関心を持ったところからはじまっていたのです。
つまり、木村さんも池内さんも、京都人から見れば「二列目の京都人」なわけです。播州と泉州…(怖いな)。でも、そういう人たちが多いので、この街の活性は失われないのでしょう。なんせ4年に一度は大量に若者が流入する街ですから。
ぼくはどうかな。幼稚園は東京で小学校は北海道で卒業して中学と高校は大阪で18から京都だから。だけど人生の半分はとうとう京都になってしまった。 「群衆にまぎれていく意志のある京都人」にでもなりますか。
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