散歩主義

2003年06月26日(木) It‘s easy to remember

少し蒼が覗いたと思ったら
いちめんの薄墨

ありとあらゆるスイッチをオフにして
簾ごしの薄い光の中にいた
昼過ぎなのに車のオレンジのウインカーが空気に滲んでいる

一つだけスイッチを入れてコルトレーンのバラードを聴く
しばらく
七曲目で 雨が降り出した

It‘s easy to rememer

雨は大粒
枇杷の木陰でいつも休んでいる母さん猫が
屋根の下へ音もなく跳んだ

子猫が母親からひとりだちしつつあって
2匹でいつも走り回って
いつも好きなところへいって
雷がなったり激しく雨が降ると 箱の中の母さんに飛び込んでいく
大慌てで

簡単に思い出せるのは  思い出したいこと
思い出したくないことに 人は簡単に封をする
封もできない思い出は  思い出とも言いたくはない

どうしても切りたくない封と
記憶することさえ無意識に拒否したこと

雨が上がって
塵が叩き落とされた通りは澄みきっていて
遠い日の手の記憶を
じっとみつめている

思い出せるか 思い出せるか


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にしはら ただし [MAIL] [HOMEPAGE]