| 2003年07月19日(土) |
ウルリッヒの勝った日 |
ツール・ド・フランスは12エタップ。 今日からのピレネーステージを前にしての個人タイムトライアルです。 ついに、ウルリッヒが勝ちました。ここまで長かったです。
前の日のダイアリーに簡単に書きましたが、東ドイツがつくりあげたスポーツエリートの最後のスターとして、東西ドイツ併合後、アマチュアのトラック競技での輝かしい戦歴を携えてプロのロードレーサーとしてデビュー。 たちまち頭角を現し、あっというまにドイツ・テレコムのエースに。すぐにツールで総合優勝という離れ業をやってのけました。これで誰もがウルリッヒ時代の到来と思いましたが、コンデイショニングの度重なる失敗、膝の怪我とまったくいいところがなく今までを過ごしてきたのです。癌を克服してツールに復帰したアームストロングが4連覇という偉業を成し遂げ偉大なチャンピオンへの道を歩み続けたのと好対照でした。 ドイツ・テレコムからも契約を破棄されましたが、彼の才能を信じたイタリアのメーカー、ビアンキが彼のためのチームを結成。彼の腐っていた才能も一気に復活したようです。
戦前から、ダークホースぐらいにしか見られていなかったウルリッヒをチャンピオンのアームストロングだけが警戒すると広言していたのは、ここまでのレースを見て、これまでと違うと判断していたんでしょうね。さすが、です。
ビアンキというメーカーはチェレスタ・グリーンという色がシンボルカラーなのですが、このビアンキチームは黒のレーサーに、その淡い緑でBianchiと入っているだけのとてもシンプルなもの。いま、ロードレーサーのプロのジャージは「走る人間広告」と化していて、とても派手だけれど、すっきりとシンプルです。また、ウルリッヒ以外のメンバーも力はあるけれどチームが解散したり、年棒の圧縮のために解雇された連中ばかり。ツワモノぞろいです。チームタイムトライアルでまさかの3位に入ったのがその力を証明しています。これからは彼らがウルリッヒをアシストとして画面にもよく登場するようになるでしょう。
ぼくがウルリッヒに魅せられたのは、その美しさ。 ペダリングがほんとにきれいなんです。 上体もぶれない。それで重いギアをぐんぐんと回していく力強さ。フォームがほんとにきれいです。ただ、そのぶん切れた時がとても重く見えるんですけれど。
若き天才レーサーも30歳です。美少年の顔にも皺が刻まれました。だけど澄んだ眼ときれいな笑顔は昔のままです。 ピレネーでどうなるかわかりませんが、今年はウルリッヒの勝利が見れただけでもツールの価値がありました。 今総合で2位。トップのアームストロングとの差は1分を切っています。
と、そんな自転車レースに励まされながら、モノカキは連載小説のような形をとっての作品づくりです。詩も書かなければ。 書評も。CD評も。とにかく書くことが続きます。
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