散歩主義

2003年08月15日(金) 夜の始まりを

二人で歩きました。
相方は57歳です。
京都の碁盤の目を細長い長方形に切り取って歩きました。

露地から大路、大路から露地と。
ぼくの散歩コースと少しだけ重なっています。
夕顔がたくさん咲いていました。

彼が癌の手術をして3年が経ちます。
団塊の世代のまんなかを突っ走ってきた人です。
ゆっくりと長く歩いた方が汗が出るんや、なんていいながら。

夏とは思えない気温の夜。
「なにが…」
「どうして…」という会話。

だいじょうぶ だいじょうぶ

夜を歩くのはほんとに久しぶりで
帰宅途中の若い人たちを見てました。
いつもは早朝と夕方ですからね。

たぶん時代の真中にいる若者たちが歩いていました。
なにがあっても この風景があるうちはいいんだ、と。

ここに爆弾が落ちたり
歯抜けのようにひとり ひとりと戦場に消えて行ったり

それだけは許してはいけない。
そんなことも思いました。

相方の年齢の人たちが戦後の繁栄と墜落とを体現してきました。
がんばってきたんだな…。
あと数年でこの世代の人たちがいっせいにリタイアします。

腰を懸命に動かして前に進む彼の斜め後ろから
だいじょうぶ だいじょうぶと
やはり裏声で、聞こえないような裏声で
呟いていました。

今日は8月15日です。


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