いつか買おうと思いながら、図書館で見るばかりで、いまだにそばに置けなかった本をプレゼントされた。 本の名前は「日本の色辞典」。著者は京都の吉岡幸雄氏。日本の植物染めの第一人者である。
取り上げられているのは日本の伝統色466色。赤系、紫系、青系、緑系、茶系、黒、白、金、銀。 知らない名前の色が多く、すべての色の出典が書かれている。例えば「延喜式によれば…」というように。 その色の解説がすでに優れたエッセイとしても読め、とても楽しい。
ぼくの作品に親しんでいる人たちにはお馴染みの「空色」もある。
植物染めの吉岡さんは、蓼藍でつくられた。みごとに「天青色」。 色の見本をずいぶん長い間眺めていた。
もちろん印刷は素晴らしい。紙も重くて上質のもの。 奥付けを見て驚いたのだけれど、吉岡さんは早稲田大学の文学部を卒業後、この本の出版元でもある、紫紅社を設立。
美術工芸図書の専門の出版社として数多くの優れた出版物を残しつつ、生家の染めの道にも邁進されてきたのだ。(吉岡さんは五代目の当主)
だからこうして日本の美のディテールのエンサイクロペデイアともいうべき本をぼくは手にできるわけなのだ。 その努力と成果に頭が下がる。
さて、本の内容は深く、幅広く一言ではとても語り尽くせない。 ほんとうに素晴らしい本が手に入った。 贈ってくれた方にとにかく感謝。
その方に「あなたに必ず必要な本だと思たったから」と言われたものだから、ひたすら恐縮しながら、ありがとうと繰り返していた。
本当に嬉しい。
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