| 2005年07月08日(金) |
「春樹」という中国人作家 |
「すぱる」八月号をよむ。 中国では高まる「反日」と同時に日本文学ブームがあったという。 そのあたりを掘り下げる特集が組まれていた。
多くの中国人若手作家の作品が紹介されている中に、「春樹」(チュン・シュー)というペンネームの女流作家の小品とインタヴューが掲載されていた。 (名前にびっくりした…。)
若き中国人にとってのカリスマ的な作家の一人である「春樹」というと、「村上春樹」を熱心に読んでいる人間は なんだかくらくらっとすると思うけれど、「春樹」は80年代生まれのうら若き女性。
ちなみに「村上春樹」は中国で翻訳がほとんど出ていて、ブームにすらなっている。彼女もほとんど読んでいるけれど、同じ「村上」なら「龍」の方が好きで、日本の作家で一番なのはなんといっても太宰治だという。ふむ。
作品はとても素直だな、という感想。みずみずしいぐらい青春の中に生きる姿を書いているな、と。
80年代生まれの彼女たちは「八十后」と呼ばれているけれど、その前に世界的にセンセーションを巻き起こした 「七十后」とよばれる70年代生まれの人たちがいる。代表的な作家が衛彗(ウェイ・フェイ)。
彼女の作品(「たっぷり甘く」)も掲載されているんだけれど、ぼくの感覚はこちらに近い。 インタヴューでも村上春樹が中国で売れる理由を中国における中産階級の出現、と明確にさらりと言ってのける。 ジャズとワインの世界だね。 そう語る彼女の作品はとてもおもしろい。
「たっぷり甘く」とはテレサ・テンのヒット曲と同名だ。カットをちりばめた映画のような短編だった。
簡単に言うと、鏡のような中国、という印象。読むほどに実は自分自身が(日本が)よく見える。もしくは透けて見えるような。
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