2009年05月30日(土) |
猫は今日もお昼寝。そんな日にぼくは「1q84」を… |
ピピとルルが今日もお昼寝。 そんな日にぼくは村上春樹「1q84」を読み出す。 最初の20ページで、もうぐいぐいと物語に引き込まれていく。まごうことなき春樹ワールドだ。
読んでいて懐かしい気分になった。 何故だろうと考えてみたら、つまり5年間この「語り口」を待っていたんだ、と気がついた。「海辺のカフカ」以来のね。
ぼくはいわゆる「ハルキスト(熱狂的な村上春樹の読者)」ではない。控えめな愛好者ぐらいだと思う。何故ならハルキストたちは40冊程度の小説、エッセイ、関連本を持っているというけれど、ぼくは20冊ぐらいだ。
それでも懐かしい気分にさせる「何か」が村上春樹にはある。よく友達といいとか悪いとか、わかるとかわからないとか議論になるけれど、そういうことよりも、かつて彼の作品と手を携えて自分の「地下二階」まで降りてしまった事があるから離れられないのだ、と思う。
テレビでは発売当日で68万部も売れた、とニュースを流し、ジェイズ・バーのモデルになったという新宿のジャズ喫茶「DUG」では、したり顔で「1q84」を読む人が大写しになっていた。 そんな画像にひいてしまうぼくだけれど。
かつて吉行淳之介さんは自分の本当の読者はせいぜい二千ぐらいしかいないと思うといっていた。10万部とか売れるのは何かおかしいんだ、と。 その言葉はいつも引っ掛かっている。だけどやはり「つきあいたい」と思う。 それぐらい大切な作家なのだ。
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