2002年06月06日(木) |
52発目(努力の果てに)感想 |
今週の内容はある意味、凄く期待通りですかが、別の意味で期待はずれでした。 期待どうりだったのは「努力をすれば何でもかなうんだよ」とか、「努力すれば何とかなる」といった、世の中にはびこっている嘘をこの作者が一掃してくれたことです。 そして期待はずれだったのはあまりにも展開が速いと言う事です。 今までの遅さは何だったのかというくらい。 それだけではありませんが・・。 長くなるので、詳しくはsiteのほうで書きたいと思います。 さて52発目ですが、誰がこんな事態を予測しえたでしょう? 虎鉄に打たれるのはともかく、その後の展開の速い事・・。 ですがここでまずは私の努力というものについての考えを述べておきましょう。 はっきり言って努力しないような奴は屑です。 私はそう思っています。 人間の評価は努力をしているかいないかによって決まると私は思っています。 生来は怠け者の私ですが、そう思って何とか日々を怠惰に暮らしたくないと思っています。 さて、その努力ですが、努力すれば夢はかないのでしょうか? 答えはNOです。 高校球児は誰だって努力しています。 毎日するのは当たり前。雨の日だって練習は欠かしません。 一日だって休みません。 朝練、昼練、そして放課後は日の暮れるまで、それが普通です。 別に強豪だけじゃない、どんな弱小高でもです。 しかしその中で甲子園に行けるのは一握りだけです。 努力すれば夢が叶うというのは、ある意味酷い言葉です。 では叶わなかった人間は努力していないとでも? 努力が足りないとでも? どんなに努力してもそこまでしかいけなかったのです。 上記の考え方はを全てに応用すると「どんなに努力しても結果が伴わないならば努力したことも認めてもらいない」と言う事です。 こんな酷い考え方があるでしょうか? 負けたのは仕方がない、実力がなかったことも確かだろう、しかしこの考えは本人がしてきた努力でさえ否定してしまうのです。 ですから私はこの考えが嫌いでした。 一見いい考えに見えるものが裏を変えせば、こんなにも非情の考えになるのです。 さて、話の内容ですが、ツッコミどころは満載ですが、それはさておき何故今回展開がこんなに速くなったのか? この理由が考えれば考えるほど、嫌になってくる事しか思いつきません。 まず、もしかして最近順位が下がりぎみなので担当さんから「やはり展開が遅いのがいけませんね。もっと早くしてください」と言われた。 そして次に考えられるのが、「子津を降板させないでくれ」と言うお便りにひかれて今まで投げさせてきたがもういい加減嫌になった、のであっという間に大量点を入れる展開にして、なんとか降板にしたかった。 つまり、やはり担当から「子津君が人気があるので投げさせてください」などと言われており、その反抗、つまりぶち切れた。 どっちにしても担当は余計な事は言わないで欲しかった。
今回のツッコミどころその一 一体辰羅川は何をしていたのか? 子津が崩れるのは分かる。しかしそのとき総大将にしてcatcherの辰羅川さんは・・。一体何をしてあそばしましたのですか? タイムを取って子津を落ちつかせることもせず、かといって犬飼に替える事もしなかった。 一体軍師はどこへいったのですか? 何の作戦もないのですか? 今までのあの凄さはどこへ行ったのですか? たとえ打たれてもあのcapの時のような配球術はどこへいったのですか? 今回の一番の不満はそれ。 今まではそれこそすごい程度の高い野球漫画だったのに。 子津が打たれたとかそんなことよりも、この程度の低さは何?
いやあのね、蛇神様は確か広角打法の持ち主でしたよね。 だったらなぜ、内角をついてレフト方向に飛ばさなかったの? そしたら司馬君が何とかしたのに・・。 homerunならしかたが無いけどhitじゃん。 何とかなるじゃん。
そもそも点の取り方がよく分かりません。 ツッコミどころその2、 点の取り方 まず虎鉄が2塁にいる時点で2out2塁3対6 つぎcap、hitらしい。 一塁にいるから。(なせhitなぜhomerunじゃない?という突っ込みもある。) 次の蛇神様hitということはこの時点で2out満塁。 で次三象さん。 これhomerunでしょうか? 描いてないから分からない。 いや、鹿目が打った時点で6点つまり3点加わったことになるからそれはないだろう? 2ベース?なら三象さんの時点で2点加わり5対6と言う事か? で、この時点で三象さんは2塁にいるから2out2,3塁か? で鹿目君がhitを打ったと・・。 それなら確かに鹿目君で6対6だな。 でもなんかおかしくないか? capや蛇神様がhitで三象さんが2ベース?
それと一番の謎は ツッコミどころその3 封鎖はどうなったのか? 計6キロの重りを誰かつけているはず。
突っ込みはこれくらいにしておきます。
この後は子津君の心理に迫りたいです。 このことこそが今週の見所とも言えるでしょう? 程度が低くなったとか言いましたが、それでも流石に見所がある。 子津の心理描写、は絶品です。 前から思っていたことなのだが例えばあるcharaの例えば嬉しい、悔しい、苦しい、などという心理を表す時にどんな表し方をしたらいいいのか? 悔しいと言わせればいいのか?それとも悲しいを表す時に涙を流させればいいのか? 色々なテクニックはあると思う。 しかし言える事は作者がその感情を知れなければ、どうにもならないと言う事だ。 悔しい悲しい嬉しいなどという感情ぐらい誰でも知って言うという人もあるかもしれないが、どの程度?というのがある。 どの程度知っているのか?本当に知っているのか?上っ面の感情じゃなくって本当の絶望ややっと掴んだ希望や本当の喜びを知っているのか? こう言うと、経験というものがものを言うと思うかもしれないが、年を取っていれば経験があるとは限らないし、あらゆることを経験しなければ物がかけないというのも間違いである。 つまりまとめとして言うと、経験は確かに大事だがしかしはっきりと分かる経験でなくとも経験はすることができると言う事だ。 つまりほぼ同じ人生を歩んでいるように見える二人の人間でも、経験値が違うことがある。 自分に起きた事を経験に変えるのは能力に寄る。 つまり優しく言うとその人間がどれだけ真剣に今まで生きてきたかと言う事だ。 それによって若くても経験値がある人間もいる。
はあ、経験の事は置いておきます。(っていうかなぜ経験の話になったのか?) でも今回の子津の回想は凄かったですね。 まあ、所詮ミスフル好きでこのsiteやっているんだし、褒めちぎりますよ。 本屋で立ち読みした時「ヤバイ」と思ったんだよね。 これを読んだら感動しすぎてどうしたらいいのかわからなくなるって・・。 で、かなり経ってからそろそろと読み出したのであるが、思ったほどでもなかったよ実は。 でもそれでも良かった。
ではこの後子津の気持ちに迫りつつ子津がどれほど素晴らしいかを語ってゆきましょう。(所詮子津ファン) 子津って天国にあこがれていたのね。 知らなかったわ。 天国だけじゃなく、他の主要人物も子津にとっては憧れだったのね。 決して対等だと思っていなかったんだ。 まあ分かるけどね。 天国以外は中学の時はそのclubでも、頂点に立つような奴ばっかりだっただろうし、まあ、野球技術に加えて、子津は天国と違ってずっと野球やってきた子だから、そういうのは雰囲気で分かるのかもしれない。 彼らの凄さって言うか。 天国にしたって、たしかにド素人だけど、子津にとってはそれでもというかむしろ野球はじめたばっかりで、伝説破っちゃうんだから、凄い天才スラッガーに見えてたとしても不思議はない。 これで子津がどうして天国にあれほど親切か分かりました。 今まではただ単にいい人だと思っていたのですがそれに加えてある意味では憧れの人だったのですね。 確かに他の奴らは、別に子津がどうこうしてあげなくても自分で何とかできる人ばっかだしね。 さてそんな子津くんですが回想で「みんな凄いから」のところですが、ここでみんなの凄さが(子津が思うところの)コマ送りになっていましたが、なにが凄いってその凄さが「技術」じゃ無いところです。 これが技術なら今まである数多のsport漫画と何らかわらねえ。 「みんなの才能や技術が凄いからそれがない自分はもっと努力しなくちゃ」と言う事になるのなら、そんなものは今までのはっきり言わせて貰えば才能VS努力というくだらない図式のsport漫画となんら変わらない。 (才能というものは努力によって開花するものだと思うんだけどねえ。だから上記に図式はそれ自体が変だよ。) 子津は彼らの技術が凄いといっているんじゃない。彼らの精神面を含めた努力が凄いといっているんです。 つまり子津は自分の事を努力家だと思っていないのです。 もっと努力しないといけないと思っているのです。 誰でも一番の努力家はと聞かれたら子津と答えるだろうに、当の子津はそう思っていないのです。 これを謙虚と言わずしてなんと言う。 考えてみれば「僕は才能がないから人一倍努力する」または「している」なんていう奴はよっぽど自惚れているね。 一番良いとこを自分がもっていると思っているんだから・・。 これはさ、あれだね。自分が賢いとか美形だとか思っている奴より「いい人」だと思っている奴のほうが自惚れが強いってのと同じだね。 本当にいい人は自分の事いい人だと思っていないもんね。 とにかく子津には泣けてきます。 「みんなと肩を合わせて野球が出来ないから」 分かる分かる子津君、対等になりたかったんだよね。 みんなと肩を合わせたかったんだよね。たとえ周りが対等に扱ってくれても自分に引け目があったら、自分から心を開けないもんね。 全く泣けてくる展開してくれるね。 最後に出てくる甲子園がもう・・。 演出もにくいというか。 ああ、感想はまだまだ続きます。ここまでミスフル好きになろうとは(別の事しろって感じですね。)
私、そう考えた時に思ったこと、宮沢賢治の「雨にも負けず」を思い出しました。 雨にも負けず風にも負けず・・・・西に病人がいると聞けば・・・みんなにデクノボウと呼ばれ・・・そう言う人にわたしはなりたい。 すいません。はっきり覚えていないんです。 でも、言いたい事はこうなんです。 宮沢賢治の価値は最後の部分にあると「そう言う人にわたしはなりたい」 この部分にあると思います。 宮沢賢治は自分の事を病人を助ける人だと言っているんじゃない。自分の事をデクノボウだといっているんじゃない。 ただそう言う人になりたいと。自分はまだそう言う人になれていないけどそう言う人になりたいと。そう言っているのです。 これって子津と同じですよね。 だから、もうこれで今週の感想は終わります。
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