小雨の降る夜 通り過ぎる車のライトが キラビやかに光ってる
坂道を自転車で下りながら 1歳半のマルコメ味噌を前に乗っけて 小雨の降る夜 坂道を下る
ウヒョ=と言いながら 風を切って下ると マルコメ味噌も ウヒョ=と言いながら両手を広げる
小雨が顔に少し当たって気持ちいい 銀河鉄道の夜のようなサイクリング
マルコメ味噌は今日 「ネェ〜ネェ〜」って喋ってきた 「ナ〜二〜」って答えると 嬉しそうに笑い そしてまた「ネェ〜ネェ〜」って喋ってくる そしてまた「ナ〜二〜」って答える そんな会話を20回、30回と繰り返した
喋ったよ 芳多郎が
昼間 バリカンで髪の毛を切っている間は 大声で泣きじゃくっていたくせに
マルコメ味噌みたいな顔になった芳多郎は 銀河鉄道の夜のようなサイクリングを 終えて 今じゃぐっすり寝てやがる
どんな夢を見ているんだろう
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