朝礼時はいつもラジオ体操をやっていた。モリタ君はその時も、みんなの前でやらされていた。体が堅く動きがぎこちなかった。ロボコップが体操をしているように見えた。みんなはそれを見たいため、いつもモリタ君を体操当番に指名した。店長が「今日の当番は誰か?」と聞くと、決まって「モリタ君ですと言う声が聞こえた。店長もそれを見たかったのだろう。「そうか、モリタか」と言いながら嬉しそうな顔をしていた。体操が始まると、誰も真面目にせずにモリタ君の手や足の動きを見ていたものだった。