さようなら雅くん
今日は夜バイトで一緒に働いていた雅くんと最後の日だ。 本当は彼は明日も来るのだが、わたしが非番の為、今日がお別れの日だった。
彼は刑事志望で、警官になる為に勤めていた会社を辞めて、試験の為の勉強しながらここへバイトに来ていた。 サッカーが好きで、サッカーチームにも所属していた。 そんな活発なワリに神経質なトコロがあって、いつも「ここの人たち(会社全体)はなんかいろいろ背負ってそうで恐い」とか「ヘンじゃねえ?」とかいつも口癖のようにダメ出ししていた。 わたしは彼とゴミを捨てに行く係になってよく彼に警察関係の受験生の視点からの話を聞いていたものだけれど…。 彼に最近になってあんまり刑事の話を聞くものだから、変に思われたりもしたっけ。
今日も彼と一緒にゴミ出しをする事になった。 雅くんにリヤカーをひいてもらいながら、その後に続く。 「もとさん、俺この間の結果出たんですよ」 「え?そうなの?…で?」 「ハガキだったんだけどー…めくるタイプのヤツ?めくったら不合格って思いっきり書いてあってさー」 「あー…ダメだったんだ」 彼は2月あたりにどこかの警察の試験を受けて、2次試験までいっていて、現在結果待ちの最中だったのだ。聞いた話によると警察屋さんはいちいち受験生の身元調査をするので結果発表までがえらく間があくのだそうな。 「わたし、てっきり雅くんが辞めるまで結果わからないかと思ってたよ」 「俺もだよ。あー…これに妙に期待してたから5月の試験の方何にもしてねぇ〜」 「あーあ(-_-;)」 「こっちが本命だったのに」 警察屋さんはどうも管轄ごとに試験が別の日程で行われるらしい。雅くんは2月の某県警より警●庁が本命だったらしい。 「あー、そういえば昼バイトの方の新人くんで同じように警察目指してるコいたっけ」 その彼はお父さんがゴニョゴニョなのでゴニョゴニョでのみゴニョゴニョになっているらしいが、実力が無くてそこまでいきつけないのだそうな。(自主規制) その彼の話をしたら、雅くん怒り心頭(汗)。 「そーゆーヤツがいるから、俺みたいな奴に狭き門になるんだよ」 「ま、まぁ彼はそこまでいきつけてない訳だし、ゴニョゴニョがあるのはゴニョゴニョだけだから他は受ける気ないってゆってたよ」 「そいつ名前なんて言うの」 「…Mくん」 「よし、覚えとく」 「はははは…」 「俺結果わかったから、今日辞めるの1ヶ月課長に延ばして下さいって言ったけどダメだった」 「そうなんだ、残念だなぁ」
その後彼とは別の仕事についてしまい、結局そのままお別れする事になってしまった。 彼が夢を実現できるといいなぁ。 元気でね。
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