感覚を麻痺させる。 |
テレビで、捨てネコ・捨てイヌの特集をやっていた。
山に捨てられ、エサにありつくのも大変。
生まれた子イヌも、この先元気に成長できるか分からない。
取材陣にも、人なつっこく寄ってきてエサをねだるイヌたち。
また、避妊手術を受けていないためどんどん増えていく野良ネコ。
元々は自分で餌付けをしたのに、増えてきたからと言って迷惑そうな住人。
そんなイヌやネコを放って置けなくて拾ってきて、
家中ネコやイヌだらけになってしまっている人たち。
自分たちが見捨てたら、この子たちは処分されてしまう。
その想いで自分の生活を捨て、毎日世話を続けている。
狭い部屋にギュウギュウ詰めのネコたち。
散歩に連れて行ってもらえず、ストレスがたまって暴れるイヌ。
こういう番組を見ていると、いたたまれない気持ちになる。
私はアレルギーで動物が飼えない。でも、とても飼いたい。
飼える人たちをすごくうらやましいと思う。
ネコにまみれて生活したいと、小さい頃からずーっと思っていた。
将来はイヌを飼って、自然の中で暮らしたいと思っている。
でも今は、それは夢のまた夢なのだ。
なんで捨てるんだろう、心は痛まないのか。
猟犬を飼って猟をさせ、シーズンが終わるとそのまま山に置き去りにする人。
見ていて辛くなる番組だった。
そういう時、私は自分の感情を麻痺させる術を持っている。
昔から、自分にとって辛いことには目をそむけてきた。
そうやって逃場を作っていないと、どうかなりそうだったから。
感じない振りをする。
悲しんでも仕方ない、苦しんでもどうなるわけでもない。
私は今、何も感じていない、大丈夫。
そんな防衛行動を、無意識にしてしまっている。
これをせずに、思った事感じた事をそのまま受け入れてみた事もある。
想像以上にダメージがあった。
まるでずーっと下を向いて歩いているような感じ。
地面に引き付けられていくような感じ。
感情を断ち切らなければ危ないと思った。
そう思えるだけでもまだ良い方なのかもしれない。
だから昔から、私は映画をほとんど見ない。
見るのはコメディー。
ハッピーエンドだと分かっている作品。
ミュージカル。
テレビ番組はバラエティー。
ココロに響くような作品を見てしまうと、ずっと押し込めて見ないようにしている、
自分の中の不幸感が吹き出てきてしまって、辛いのだ。
映画の内容とはまったく関係ないようなことでも。
パンドラの箱が開いてしまったように。
ほんじゃまか。
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2003年05月10日(土)
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