彩紀の戯言
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2000年10月24日(火)

楽。

私が今までで一番楽しいと思ったときは、もしかして浪人時代だったかもしれない。
浪人時代の勉強が楽しかった訳では・・・・もちろん・・ない。
限られた時間の中で目一杯遊んだことが楽しかったのだ。

今の生活が楽しくないと言わない。
しかし、1分1秒を無駄にせず楽しんでいるとはお世辞にも言えないだろう。
時間に制約されていない生活のため時間の無駄使いも多いのだ。

大学入学後や就職後も今に比べると時間に追われる毎日だったが
お金も自由もあったため浪人時代のそれとは比べモノにならない。
それだけ浪人時代は束縛された1年だったのだ。

考えてみれば当たり前のことで、真面目に勉強しなかったツケを払う1年なのだから
遊ぶことが許されるはずがない。が、誘惑が多いのなんのって・・・。
見事に桜を咲かせた友人達は容赦なく大学生活を見せつけてくれた。

バイトでお金を稼ぎ欲しいモノを買い、免許を取り車を買う。
外食も頻繁だし夜遅くまで遊んでいる。
っきぃぃぃぃぃぃぃ!うらやましい・・・。

私は水曜日の夜だけ遅くまで外出をしても良いという許可を親に貰った。
友人が集まる喫茶店(友人の家)に毎週顔を出し、喋って喋って喋って・・・。
お金がないので喋ることが中心の遊びだった。(笑)

それでもその数時間の自由をそれこそ1分1秒を無駄にせず楽しんだ。
制約があってこその「楽しみ」だったと今になって思う。

浪人時代に夢にまで見た大学生活は、それなりに楽しかったが
密度では負けていた。手に入ってしまうと魅力が薄れてしまった時間とお金は
私には上手く使えなかったようだ。

同じ様な意味で、歳を重ね食べたいモノでも欲しいモノでもある程度なら
入手できるようになった今、とても美味しいと思えるモノが少なくなったり、
本当に欲しいと思うモノがすぐには思い浮かばなくなってしまった気がする。

やはり制約とはスパイスみたいなモノで、よりいっそう引き立てる力を
持っていると私には思えてならない。



様々なことが自由になっていくこの時代。
「楽」なことが増える一方で「楽しみ」が減っていく、なんてことは
できればあって欲しくない。


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