彩紀の戯言
戯言 INDEXpastwill


2001年02月23日(金) 考え方。

今日は真面目なお話。

最近はあまり聞かないけれど、
優等生が凶悪犯罪を起こすというニュースを頻繁に耳にした時期があった。

捕まった犯人を調べるとエリートコース間違いなしの学歴を持っている。
少年犯罪も優等生が多くトップクラスの成績であったり
偏差値の高い学校に通ってたという記憶も少なくない。

犯罪者の全てが学生時代に成績優秀生だったとは思わないけど
いくつかの事件の犯人の学歴を比較するニュースが多かったので
最近の犯罪者=成績優秀のようなイメージを持ったのは私だけではないと思う。

犯罪を起こす人間ばかりが優等生ではない。
自ら命を絶つ人にも優等生が多い。私の知人もそうだった。


彼女は大学のクラスメイトで学科トップの成績を4年間維持した才女であった。
社長令嬢で身なりはキレイ。胸を張って歩く姿は「自信」を誇示していたように見える。
あながち間違いではないと思う。

「私はこんな大学に入学するつもりはなかった」と言いきった彼女。
市内トップの高校を卒業し地方トップの大学に進学するつもりだったらしい。

ところが、理系とはいえ三流大学に入学。
彼女のプライドはズタズタだったに違いない。
成績トップを維持することによって「自信」を持ち続けたのだと思う。

ある時、彼女は公営住宅に住む者に「お山の大将」という表現を使った。
彼女は社長令嬢なのだ。シャレには聞こえない。

何をそんなに怯えていたのだろう?

上記の発言は入学当初に聞いたため、
それ以後私は彼女とあまり接しなかった。
嫌うほどではないけど、友人になりたいとは思わなかったのだ。


大学卒業後、彼女は有名大学の大学院に転入するつもりだった。
しかしココでも彼女の夢は叶えられず、同じ大学の院に残った。

そして大学院に進学して半年後。彼女は自ら命を絶った。

失恋が原因だという噂を聞いたが真実は判らない。

やっとの思いで三流大学に入学し、公営住宅に住んでいた私には
死を選んだ彼女の気持ちは理解できないのかもしれない。
(「お山の大将」は私に向けられた言葉ではなかった)


家族の知人にも同じ様な人がいる。
優秀な学歴を持っていたが、社会に出て挫折。
自ら死を選んだ。

犯罪者か自殺者。
その知人はどちらかになるかも知れないと思われていたと聞く。

死に対する考えはまた別の機会に書くとして・・・。


死を選択するほどの挫折、心が病んでしまうほどの状況。

これらが偏差値教育の負の生成物だと決めつけるわけではないけれど
いつか親になるかもしれないということを考えると
自分の子供には同じ道をたどって欲しくないと思う。

20年後の日本がどうなっているかは判らないけど
大会社に勤めることだけが「良し」とされる時代ではないだろう。

子供に精神的な負担を与えるようであれば
むりやり勉強させる親にはなりたくないな、と最近考える。


けれども。

先日、発展途上国のドキュメンタリーを見た。
子供達は満足に勉強する時間も場所もない。

しかし、彼らは言った。
「勉強を頑張らないと仕事にありつけない。
農業だけでは食べていけないから勉強するんだ。」



私の考えは物質的に豊かな国の人間の考え方だと思い知らされた。


彩紀 |HomePage

My追加