一番近くにいた一ヶ月間。
大きな手も 広い背中も 体温や匂いも
ぜんぶぜんぶあたしのモノだった。
嬉しくて楽しい筈の3日間 フッとした瞬間に見せる寂しげな顔が ぎゅっと胸をしめつけた。
電車の中で渡された水色の紙袋
初めてのネックレスの時と 一緒の反応をしてしまうあたし。
君の沢山の涙がかたどられたようなプレゼント。 あたしに泣けない涙をくれるようなプレゼント。
「哀しい涙も嬉しい涙も思い出と一緒に」
そんな意味なの知ってた?
小ビンに閉じ込められた君の想い。
美味しく飲めないモカ。
手の上でキラキラ光る。
あたしの心を掴んだものは 建物でも 場所でも 紅葉でもなく
君自身でした。
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