2000年12月30日(土) |
なんでもわかっているタロウ |
昨晩、実家に帰ったのはK子(実母)が泣きながら、もうタロウがなにも食べない飲まない、と電話してきたからで。1週間前に帰った時、異常に水を飲むのでもう永くはないとは思っていたけど、ああ今日帰らないと、小さくて深い後悔をずっと心に残すかもしれないことがわかったから。 このての予感、シンパシィはたいへんたいへんたいへん間違いなくよく当たるので、治りかけの風邪を抱えてタクシーで帰りました。 1週間前に首は上げなくても小さく尻尾をふって「おかえり」してくれたのが、もうにぶく目をあけて「みているよ」と知らせてくれただけでした。 そして、死にかけた生き物の匂いがしました。生きるために最小限な心臓や肺は動いているけれど、ほかの内臓や末端の細胞が腐敗してきているような匂い。とてもよくしっている匂い。 吐き戻して体力を失うので、もう口から食べ物飲み物をあたえていないと言いました。
いっぱい撫でて、大好きだと言って、覚悟をきめて寝ました。そして31日の新曲の譜面をみながら夜中にガサゴソいう音がするので寝室のドアをあけると、ヨロヨロフニャフニャ、タロウが歩いていていつもの水のみ場にお皿がないと、階段の下を覗きこんでいました。それはわたしの勝手なエゴからかもしれないけど、1日寿命がのびたって、今こんなに水を飲みたがっているのにワケも教えず水をあげないことになんの意味があるのか、隠してあった水皿に水とせめてもの強心剤に赤ワインを少し垂らしてあげたのは、酒のみだから。
|