痒痛 ☆ 日記 
お酒と音楽と変人と。菫色の日々。

2002年02月23日(土)       オトナがいる

      誰って前にかいた彼女ですよ。去年結婚した旦那があと1年の命って
     ひと。今日久しぶり会ったわけですよ。わたしはあの夜は夢もしくは自
     分の妄想かと思いました。
      あんまり普通だから。笑ってるから。3月の送別会の幹事までしてる
     から。
      すごいなあ、って思うひとには「いや別にすごくないから」って言っ
     とこう、彼女のかわりに。運命とやらに面と向かうとそうなるから。
      向かわなくても、人生ってそういう瞬間が誰にもまんべんなく訪れる
     のかも、って予感を感じたひとも、そうなれるから。
      自分の苦しみのために、他人の喜びを損ねてはいけない、って思える
     ときがくるから。

      わたしは、感情に素直であることを否定しているのではないよ。全部
     押さえ込むのが人間として美しい姿だ、とはいいません。
      でも、ヒトは何故いつまでも子供のままでいられないのか、って聞か
     れたら、子供はある瞬間は美しく、おとなには決して取り戻せない輝や
     かしいものを持っているかもしれないけど、それ以外の大半は煩く、他
     から要求するだけの、役立たず、概して汚く醜いモノである存在だと。
      だからオトナは自分の子供以外、は「かわいい」という認識以外で子
     供をとらえない。かわいいのは犬も猫も一緒。子供がかわいいというの
     は子供という存在の極小さな1部のエレメントだと。それが生きぬく技
     らしいから生き物ってすごい。

      ねえ、他人の顔色をうかがって生きていけってんじゃないんだよ。
     でも、あなたと違う人生、違う考え、違う喜び、近い価値観みたいなも
     のを持ったひとがすぐそばで暮らしていて、だからたいていヒトは寂し
     さを忘れていられるんだ、ってことを感じることのできるヒトが好きだ
     ってことだよ。

      だから彼女のようなヒトを見ると、オトナとして≠人間として生きよ
     うとする意思のようなものを勝手に思って、尊いような気にさえなるん
     だよ。


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