なんか、10年もバンドやったり15年もお芝居やったりしていると ヘンテコなお洋服、小物、装束がたまります。でも、大抵は1回こっき りものです。でも、作ったものとかもあるので捨てちゃうと、もし、万 が一、こんなのどっかにないか?となった時に下唇を噛み切るほど悔し くやるせなく、過去の自分を呪い、同じものを作ろうにも素材をみつけ るのがそりゃあもうタイヘンなもんで、どんな布切れも捨てません。 でも、大抵は二度とそんな出番はないのですが。
かつて、歌をやり始めたときはLIVE=SHOWで、そりゃあ お衣装も凝 りました。そもそも10年前のお店で売ってるお洋服は普段着orお出か け着で、ステージ用なんて特殊なお高いものしかなかったので、作るし かなかったんだよね。しかも当時はラテン=カーニバルもしくは土人( としか言いようがないや・・・)またはラメラメのイメージしかなかっ た(わたしは)ので、もうそんな既製服探そうったって無理無理無理、 だったのでした。 でも今どこのお店のギャルちゃん系のお洋服だってそのままステージ にでてもオカシクないし、安い輸入服(これは生地とプリントが国産ア ジアものと断然ちがう。ステージ向き。縫製に難あること多しだけど) もいっぱいあるし、なにより長くやってステージ=ハレの舞台って感覚 が薄れてしまったのか、買ってきたのをそのまま着る。そしてわりとわ りと、使いまわす。芝居用語で、アリモノでいくってやつ。 そういう状況だったんです。ぶっちゃけていうと、毎回、 「あ〜 また衣装考えるのめんどくせ〜」
でも、チンドンのお仕事をしてみて少しかつての衣装への情熱がもど ってきました。だってチンドン屋さんなんだもん。まちのおしゃれなお 姉ちゃんより少しハデ程度じゃだめなんだもん。その街角で誰よりもハ デ、誰もそんなカッコしてない、でも目を背けられちゃダメ、キレイで ないと。それが仕事なんだもん。しかも暑さ寒さの備えも必要。 そんな服、つくるっきゃないじゃん。今だに大抵のチンドンさんが和 装なのはそのせいもあるよ。なんたって歌舞伎みたいなカッコよりハデ なもんはそうないからね。もちろん伝統もあるけど。
で、チクチク縫い物をしながらフと10年前は毎回LIVEのたびに新作 のデザイン画をかいて布を探して朝まで縫い物をしていたなあ、と思い 出しまして、ちょっと慣れって物事をスムーズにするけど、つまんなく させるなあって思ったのさ。たしかに昔はヴォーカルに自信がない、と いうより自分をヴォーカリスト ミュージシャンだって考えることがで きなかったから、より衣装とか舞台構成やら観ることの方に今よりずっ と重心をおいていたんだけど、今だって衣装選びには何日も何日もかけ るけど、全部自分で作って皆さんにお出しする、謙虚な自信てのは昔の 方があったよなあ、お客さんだけでなく、メンバーも驚かせるぞって仕 込みとかね。
準備する、計画するところが一番楽しいところなのに、面倒くさい〜 のひとことで、なまけてお酒飲んで損したな、と。 でもホントウに面倒なの。自分で綿密に計画だけたてて、誰かお針子 やってくれないかなあ、って10年前も、いや15年前も言ってたけど ・・・ そんな奴いないんだ・・・
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