虹色過多想い |
2004年12月21日(火) ここがずっと大切な場所 |
図書館で谷村志穂の新刊、空色水曜日を見つけて借りてきた。 今年の夏に発売されて、書店では目立つところに平積みされている札幌のことを書いたエッセイ。 谷村志穂と言えば、映画海猫の原作者ですよ。 札幌出身のエッセイも小説も書く作家さん。今は東京都在住。 あたしは彼女の作品をきちんと読むのは初めてだったんだけど、これはすごくよかった。 札幌の空の高さや、空気の透明な感じは独特で、 私は世界のあちらこちらを旅するが、 今もって、そんな空に出会うことはないように思っている。 どんな「青」も、札幌の空にはあって、 いつもよく磨かれたガラス面のように、私たちの心を映し出す。 では皆さんも、どうぞ札幌の澄んだ空の下を、ご一緒に。 (まえがきより) 勉強の合間にちょっとだけって読み始めたつもりが、止まらなくなって困った。 やっと一息つくところで栞を挟んで、本を閉じていろいろ考える。 あたしは札幌生まれの札幌育ちだから、やっぱりこの町がすごく好き。 たとえ今日の最高気温がマイナス5度でも(苦笑) 大通公園なんてあんな街のど真ん中にあって、あそこが札幌の中心地で、道路と一体化しているのに、緑も噴水も綺麗な空気もふんだんにある。 谷村志穂が大通公園ほど素敵な公園はないと本の中で言っていて、あたしもいつもは気にかけないけれど、そうなのかもしれないなぁと思った。 恋人と街でデートする時は必ずと言っていいほど大通公園を一緒に横切る。 仕事帰りの恋人と札幌駅で待ち合わせをして、そこから大通かすすきのへご飯を食べに向かう。 いつもいつも時計台の前の道を通って、時計台と市民会館の向こう側に見えるときのテレビ塔が1番美しくって、あたしはそこで必ず空に突き刺さる鉄塔を見上げる。 あたしが生まれるずっと前からそこにあって、生まれてから街の中心部でも、郊外からも、何度も見てきているのに。 時計台の前、テレビ塔から向かって北西の位置から斜めに見上げる場所がベストポジションだと知ったのは今年に入ってから。 そんなあたしはテレビ塔に過敏に反応するようになって、恋人の車でドライブ中、テレビ塔が見える度に「テレビ塔が見えるー」とわざわざ報告する。 恋人も札幌生まれの札幌育ちで、札幌が好きだと言うので、すごくうれしい気持ちになる。 同じふるさとを好きだと言えるのって幸せだなーって。 恋人の暮らす場所が変わっても、ずっとずっとここでこの恋を進めれたらいいのにって思う。 激しく降っていた雪が昼下がりには粉雪に変わっていた。 こんな雪がクリスマスにも舞えばいいのに。 人はホワイトクリスマスを願うけれど、今まであたしが過ごしてきた20回というクリスマスであたしはいつがホワイトクリスマスだったかなんて憶えてない。 去年のクリスマスがどうだったかも。 でも、今年がホワイトクリスマスになるのなら、あたしはずっとずっと憶えている気がする。 |
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