紫
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去年の夏だったでしょうか。
私の住む家の近所に植えられている椿たちが、町内会の計画で切られました。
おそらく、植え込みに不審な人物が隠れられないように……という、子どもを守るための計画だったのでしょう。
それでも、私の住む山に20年前から植わっていて、毎年、きれいに大きな花をつけて周囲の目を楽しませてくれていた椿。
珍しいチェーンソーを使いたいらしい大人の男たちが、計画外の木も切り倒そうとしていたとき。
母が言いました。
「もうっ! やめなさい!」
そうして守られた1本の椿。
先日、その椿の前を、母と通りました。
「この木だけ、1本、残ったんや」
母が言いました。
「じゃぁ、この木だけは花を咲かせるんだ」
私の単純なコメントに、母がまた言いました。
「残されたこの木だって怒っていて、今年は花を咲かせないよ」
………。
植物や動物たちと、会話のできる母が、私は、子どものころからうらやましくて仕方がありませんでした。
さて、椿。
仲間が減ったことにへそを曲げずに、今年もキレイな花を咲かせてくれるよう、私からも毎日、話かけていくことにしますか。
おやすみ。
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