人々が帰っていき、とうとうひとりになった。 なぜか母とふたりに戻ったような気がした。
悲しむ余裕もなく現実が押し寄せてきて、何から手をつけていいのかわからない。
病院で「美味しいコーヒーが飲みたいなあ」と母が言っていたことを思い出し、お気に入りのカップにコーヒーを淹れてお供えした。 お供えしたいものは一杯ある。 入院中は後半無菌食ばかりだったので、食べたいものを食べさせてあげることができなかった。 もっとも、いざとなると一口食べられるかどうかだったけど。。。
ふと冷蔵庫のドアに貼ってあるホワイトボードに母の買い物メモを見つけた。 これを消す勇気が出るのはいつのことだろうか。
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