へそおもい

2014年10月31日(金) 大阪ライフ

久しぶりの通勤。
満員電車がきつい。

みんな、顔が固まってる。
人形みたいに見える。

電車を降りる時に
後ろのおっさんが
すごく疲れたため息を
「はあーーーー」と吐いて
その息を首筋で感じて
身体が重くなる。

奄美では感じなかった
このエネルギー
さみしいなあ…とおもう。

通勤の電車は
さみしい。

きのうはいちにち
とてもいいお天気で
ゆっくりとできた。

相棒もお休みだったので
ふたりで近所の川で
お昼を食べて
ビールやワインやウイスキーを飲んで
うたったりしてあそんだ。

空が澄んでて
大阪もいいな
芥川もいいなと
おもった。

奄美の最終日の朝も
空が澄んでいて
とても美しい朝だった。

なつかしく
あたたかく
思い返す。

タクシーに乗って
ユタかみさまに
言われた通りに
場所を告げると

「かみさまんとこいくの?
焼酎持った?」

ときかれる。

「はい。もちました」

焼酎と塩とお礼の封筒を
しっかり胸にだいている。

運転手さんは
車をおりて
わざわざ
かみさまのお家の前まで
案内してくれた。

「おはようございますー!」

玄関を開けると
なかから
「どうぞー」の声。

玄関に入って
ドギマギしていると
なかにどうぞという。

おくにいくと
小柄なおばあちゃんが
アイロンがけをしてた。
この方がユタかみさまだ。
やけに生活感溢れている。

2階へ、と言われ
祭壇のある部屋へ。

窓の外には緑が見える。

彼女がはいってきて
気さくに挨拶する。

白装束をきた途端に
何か雰囲気が変わって
お祈りが始まる。

お線香の匂い
ろうそくの炎
祝詞を唱える声に
不思議な気持ちになってくる。

お祈りが終わると
焼酎など捧げ
祭壇の上の方をみて
激しくおりんを鳴らす。

そして
背中を丸めてうつむいて
目をとじたり
白目のように
なったりしてから

こちらをむいて

「丑年はだれ?」
とか
「玄関の右にある
丸いものはなに?」
とか
質問がある。

そこを入り口に
会話がはじまって
アドバイスがあって
またおりんをならして
うつむいて…の
くりかえし。

ちなみに、
うちの玄関の右側のまるいものは
イモリの鉢。

「あなた、イモリを飼ってるのー」と
にやりとわらわれて

「はい、アカハライモリです」

とこたえて
それに関する会話はおわった。

からだのことや
移住場所のこと
仕事
お金
夫婦のこと

いろいろ話し
情報を得る。

どうやら
なにかがみえるらしい。

それに関して
質問があって
そこから話が深まってゆく。

最後に
刀みたいので
激しく背中を叩かれ
お祓いをしてもらった。

祭壇の横には
昔ながらの黒電話がおいてあって
みてもらっている間に
4回も電話がかかってきて
その都度中断。
予約のお問い合わせのよう。

電話が終わると
またおりんを鳴らし
なにもなかったかのように
セッションが再開される。

セッションの途中で
電話を受けるゆるさ
大阪では考えられず
奄美らしくて
楽だなあとおう。

でも
この枠のなさが
奄美のよいところでもあり
都会からの移住者が
仕事をするときの
難しさでもあるのかしら。
など
考える。

だいたい
1時間ほどで
終わり
お祓いをしたお塩を
水周りに7振りするよう
袋ごといただく。

玄関には
次の方が
待っていた。

仕事を受けるのは
午前中だけと聞いていたが
とても忙しそうだ。

お礼のお金も
こちらの気持ち方式だし

こういう働き方も
おもしろいなあと
おもった。

外に出ると
朝日が
街を照らしていた。

ユタかみさまの生きている島。
地球の肌の一部のまんまの自然が
豊かに残っている島。
原始のまつりが
歌が踊りが
残っている島。

わたしは
この島が
大好きなんだなあと
あらためて
おもう。

さて、
ひさしぶりに
仕事場だ。


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はたさとみ [MAIL]

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