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 サラ、いつわりの祈り(BOOK PLUS)/J.T.リロイ

1)以前に読んだ『サラ、神に背いた少年』の続編。
とはいえ、これは時間的にはずっと前に戻り、サラと名乗る少年の子どもの頃の話。

内容(「MARC」データベースより)
ジェレマイアは母からの精神的虐待、情夫達による性的虐待を受けながらも、ただひたすらに母の愛を求め続ける。そして、その愛の深さゆえに、自らの性を忌み、自虐的願望へと駆り立てられていく……。

2)読了
前作『サラ、神に背いた少年』も衝撃的だったが、こちらはもっと行っちゃってる感じ。サラはM男だったようだ。(^^;
サラというのは自分の母親の名前だが、ここでその名前を名乗るようになった経緯がわかる。といっても、たぶんそうなんだろうという読者の想像でしかないが。「ただひたすらに母の愛を求め続ける」というのは、ちょっと違うんじゃないだろうか?幼いときから、彼は自分の性癖に気づいており、一種異常な快楽を求めていたと思う。

小説として面白いと言えば面白いが、おぞましいと思うと非常におぞましい。自伝的小説ということなので、作者は書きながら違う世界に飛んで、自己満足してるんじゃないかという感じ。最後のほうでは、主人公も母親のサラもおかしくなる。最初からおかしいと言えばおかしいのだが、サラ(母親)が気が狂ってからの話は面白くなかった。これもまたドラッグのせい。ドラッグをやって入り込む、妙な世界の描写はうんざりだ。

前作を上回るという好意的な書評が出ているらしいが、こういうのが好きな人には好きなんだろうなとしか思えない。性的にストレートでない人の話としては、クリストファー・ライスのほうが何倍も好きだ。

それにしても、またしても金原瑞人の訳。今回は話が話だけに、翻訳がどうこうよりも中身のインパクトのほうが強かったが、この人のつけるタイトルは、いつも気にいらない。どうしていつも、ヤングアダルトのこの類の話はこの人なんだろう?もしかして・・・と余計な想像をしてしまった。



2002年04月16日(火)
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