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■ 新版・指輪物語(7)二つの塔(下)/J.R.R.トールキン
1)第二部の後編。 仲間と別れたフロドとサムが、ひたすらモルドールに向けて進んでいく。途中、元の指輪の持ち主ゴクリと出会い、その道案内で一向はモルドールの入り口に達する。 前編に比べると、こちらは暗黒の影に近づいていく分暗い雰囲気が漂う。指輪所持者の苦悩もにじみ出ている。
2)フロドとサムがボロミアの弟ファラミアと出会い、しばしの休息ののち、再度モルドールを目指す。そこで太古からの怪物シェロブ(蜘蛛の化け物。指輪には直接関与していない)に遭遇し、フロドが倒れる。一人で目的を遂行しなくてはならないと決心したサムが、目的地に向かって出かけようとするが、フロドは死んだわけではないことを知る。しかしフロドは敵の手中に落ちてしまった。
この巻は非常に暗い。全ての希望が打ち砕かれるような雰囲気だ。冥王に近づくにつれて、指輪は耐え難いほど重たくなるし、どこまで行っても道は果てしなく続くかのようだ。それに疑心暗鬼の中でやり取りされるゴクリとの取引は、果たしてどんな結末になるのかと思っていると、やっぱり罠であったというわけだ。この後の三部で、ついに目的がはたされるのかどうかが明らかにされるのだが、なぜゴクリが重要であったのかもわかる。 読むたびに思うのだが、この巻がいちばん暗い。唯一救われるのは、ファラミアの高潔さといったところだろうか。
2002年04月19日(金)
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