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 世にも不幸なおとぎ話(BOOK PLUS)/ステラ・ダフィ

【STORY】
昔々、遠くて近い国に美しい王女クシュラが生まれました。美しさと知性をそなえたクシュラでしたが、ただひとつ欠点がありました・・・妖精の失敗で、思いやりの心が抜け落ちてしまったのです。成長したクシュラは、"けがらわしい"永遠の愛に溺れる恋人たちを別れさせるため、ロンドンへやってきます。自由自在に姿を変えられるクシュラの前に次々と恋人たちが犠牲になっていきますが、やがて娘の暴走を阻止すべく、王様とお后が美しい心を持つ王子を差し向けたことから、クシュラのハートにある変化が・・・エッチで残酷、けれど憎めない王女様の"夢も希望もない"物語。

本の内容説明には上記のように書いてあったが、この王女は憎めないどころか、とんでもなく憎たらしい。人の幸福が我慢できず、カップルと見ると憎悪を燃やす、ひねくれた心の持ち主。読んでいるほうも人の不幸は蜜の味で、少しは面白いとは思うのだが、こうも最後までひねくれていては、やりきれない。途中王女にもハートが生えてきて、改心するのかと思いきや、毎朝ナイフで切り取ってしまうという残酷さ。王女の標的にされたカップルたちは、別に何も悪い事をしているわけでもないのに、不幸のどん底に突き落とされるのだ。お涙頂戴の不幸な話とは全然違って、わがまま王女の残酷ないたずらで不幸に陥れられるわけだから、可哀想だと思う以前に、腹が立つ物語。

実は作者も相当ひねくれていそうな感じで、実際にカップルが外でいちゃいちゃするのが我慢ならないらしく、手を繋いだり、キスしたりするなんてことは反社会的行為だという人物。本人はレズビアンで、だからストレートな人たちを妬んでいるというわけではないだろうが、イギリスのブレア首相のおしどりぶりを槍玉にあげて、攻撃したりしている。

ところでこの本の翻訳者は宇佐川晶子氏。レモニー・スニケットの<不幸な出来事シリーズ>を訳して、最高のユーモアに溢れたスニケットの作品を、台無しにしている人だ。その日本語のタイトルが<世にも不幸なできごと>という。馬鹿の一つ覚えじゃあるまいし、違うシリーズのタイトルを、性懲りもなくほかの作品のタイトルにするなんて、文学的センスどころか、人としてのセンスも疑う。

タイトルからして不愉快な本なのに、さらに内容も不愉快で、二重に印象の悪い本となった。


2002年05月13日(月)
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