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 神と悪魔の遺産(上・下)/フランシス・ポール・ウィルスン

『神と悪魔の遺産(上)―始末屋ジャック』/F・ポール・ウィルスン (著), F.Paul Wilson (原著), 大瀧 啓裕 (翻訳)
文庫: 323 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 扶桑社 ; ISBN: 4594030645 ; 上 巻 (2001/01)
内容(「BOOK」データベースより)
ニューヨークの小児エイズ・センターを取りしきる若き女医アリシアは、急死した父の遺産として屋敷を受け継いだ。しかしそこには、彼女の秘密が封印されている。悪夢の屋敷を処分すべく動きはじめたアリシアに対し、強大な敵の妨害工作がはじまった。しかもその背後には、腹ちがいの兄がいるらしい。頼りの弁護士を爆殺され、徐々に追いつめられていくアリシア。ついに屋敷の焼却を決意した彼女のまえに、凄腕の男が現われた―"始末屋ジャック"。姓もなく、社会的な身分もいっさい消した、裏世界の仕事人である。

『神と悪魔の遺産(下)―始末屋ジャック』/F・ポール・ウィルスン (著), F.Paul Wilson (原著), 大瀧 啓裕 (翻訳)
文庫: 340 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 扶桑社 ; ISBN: 4594030653 ; 下 巻 (2001/01)
内容(「BOOK」データベースより)
始末屋ジャックは、小児エイズ・センターで起きた卑劣な犯罪を解決する仕事から、美しき女医アリシアと出会う。だが、彼女自身がたいへんなトラブルをかかえていた。遺産として受け継いだ屋敷をめぐって暗躍する、ふたつの謎の結社。隠された秘密をついに解き明かしたジャックは、世界を根底から揺るがす凄絶な戦いに巻きこまれていた…モダンホラーの金字塔『マンハッタンの戦慄』の始末屋ジャックが帰ってきた!F・ポール・ウィルスンが構想も新たに贈る、アクション・エンターテインメント。




F・ポール・ウィルスンの『神と悪魔の遺産』を読み終える。これもホラーだと思って楽しみに読み進んだのだが、結局普通のミステリだった。しかも「クリスマスもの」で、「ちょっといい話」的な部分もあったりして、拍子抜け。

それはそれで面白かったのだが、読んでも、読んでも、怪物や化け物は出てこないし、不思議なオカルトめいたところもない。なんだこれ・・・?と思っているうちに、終わってしまった。

訳者あとがきによれば、幽霊話ではないクリスマス小説(クリスマス小説とは、一般に『クリスマス・カロル』のような幽霊話であるとの定義がされているらしい)であるとのこと。つまり、始末屋ジャックにも人情があるんだよということか。

12月はクリスマスものという予定が大幅に狂ったと思っていたが、図らずも<始末屋ジャック>シリーズで、クリスマスものを読んでいたわけだ。

でも、ハードボイルドに徹するなら、全編ハードボイルドで通したほうが面白いんじゃないか。『マンハッタンの戦慄』みたいに、途中からホラーになるなんて、中途半端だ。ホラーならホラーで、最初からホラーでなければ!

この話では、生まれながらのHIV患者である子どもたちに届けられたおもちゃを盗んだ犯人を、ジャックがサンタクロース姿で「ホッホッホー!」と言いながらやっつけるところが痛快。社会に存在しない人間として生きているジャックだから、普段はできるだけ目立たないように活動するのに、今回ばかりは、ちょっと羽目をはずしたようだ。

幼児ポルノや、幼児虐待など、子どもが虐げられている犯罪についての話だったが、こと子どものことになると、ジャックは怒りが増幅するみたい。

2005年12月05日(月)
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