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 異界への扉/フランシス・ポール・ウィルスン

『異界への扉』/F・ポール・ウィルスン (著), F.Paul Wilson (原著), 大瀧 啓裕 (翻訳)
文庫: 557 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 扶桑社 ; ISBN: 4594035876 ; (2002/07)

出版社/著者からの内容紹介
モダンホラーの古典的傑作『マンハッタンの戦慄』『神と悪魔の遺産』につづく、第三作!裏世界の仕事人〈始末屋ジャック〉のもとに、行方不明の妻を探してほしいという依頼があった。彼女は〈秘密組織と未承認現象を暴露する協会〉なる怪しげな組織の会員で、近く年次総会で、世界の不可解な現象を解き明かす大統一理論を発表するという。そして、ジャックはこの世ならぬものの跳梁と対決することに……。



『異界への扉』を読了。これは上下分冊になっておらず、結構分厚かったので、今日中に読み終わるかどうか・・・と思っていたのだが、順調に読み進んで、無事読み終えた。

この話は、ミステリなのか?ホラーなのか?とずいぶん迷った。私の感覚ではホラーとは言い難いのだが、一応ホラーの部類なのかなあ?・・・まだ迷っている。

始末屋ジャックが、UFOやエイリアン、オカルト、世界陰謀説などを信じている人たちの集会に潜入して、行方不明の女性を探す話なのだが、ジャックは、はなからそういった話を馬鹿にして、せせら笑っているといってもいいだろう。

ところが、最後はほんとに異世界が出てきてしまう。異世界のブラックホールみたいな穴に、吸い込まれそうになるのだ。そこには、1作目の『マンハッタンの戦慄』に出てきた化け物ラコシがいて、ジャックに復讐したがっているらしい。ラコシの姿は出てこないが、その存在を示すような話が出てくる。

というわけで、『マンハッタンの戦慄』は、ラコシの存在から、ホラーのジャンルに入れたのだが、そうなると、これもホラーになるだろうと思うのだ。怖いばかりがホラーではないか、と。

ちなみに、私はUFOもエイリアンも信じていて、その手の話は大好きなので、この本に出てくるような集まりに行ってみたいなとも思うのだけれど、どうもこの「異界」というのは嫌だな。「異界への扉」なんかなくていいよ、と。

その異界の生き物が(人間の感覚からしてノーマルではない姿のものが多いらしい)、今私たちが認識している地球(あるいは宇宙)を征服したがっているようなのだが、この本の結末では、とりあえずの危機は回避されたが、異界そのものはまだ残っているわけで、この先もこの話は続くのだろうと思わせる。

<始末屋ジャック>シリーズとしては、作者の筆も乗ってきたようで、ユーモアも増えて、ジャックの印象もだんだん良くなってきている。でも、今回のような話になると、単なる「始末屋」じゃなくて、ヴァン・ヘルシングみたいなモンスターハンター的な様相も呈してきているかも。

2005年12月06日(火)
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