バイトの後、バイト仲間とラーメンを食べに行った。
「O河原君」登場。
今、O河原君は、「引きこもり」精神を理解できるような、
ナイスでハートフルでブルーでシュールなオトコを目指し、
日夜「引きこもり」精神の研究に余念が無い。
そんな彼が夜風の冷酷な冷たさに震えながら、
RV車の後部座席でその本質を見極めつつあった正にその時。
ラーメン屋に到着。
うっかり満腹という幸福を味わってしまい、研究は失敗に終わる。
さて、そこで、これまでの私個人の研究結果を報告して、
O河原君へのたむけとさせていただきたい。
本格的に深刻な「引きこもり」を別とすれば、
私の知る「引きこもり」には二種類がある。
ポジティブで電磁波っぽい「引きこもり」と、
ネガティブで薄暗い感じの「引きこもり」である。
前者は、アーマードコア3を欲しがっていた少年が、
ついにそれを買ってしまった時などに生じる「引きこもり」であり、
「よし! 明日は休むぞ!」などの掛け声を伴う。
これは本当の意味での「引きこもり」というよりはむしろ、
「サボり」という言葉に近い意味を持つ。
後者は、人生最大の恋に敗れた大学時代のT先生が、
涙も流さず毎日映画館の片隅に座り続けた三ヶ月のように、
停止、停滞、脱力、待機、滞納、渋滞、倦怠、などといった、
気だるい午後三時頃の起床を伴うブルーグレーの室内に、
ひっそりと時を数える類のものである。
このような研究結果を見て、私は、
人の本心が判りにくい現代のような時代だからこそ、
人に優しく生きることが大切なのだ、と学んだ。
RV車を出してくれたY介氏にも、きちんと言えた。
「30分? ふざけんな、20分で着け」