unsteady diary
riko



 「私´」

すごく長い日記を書いていたら、消えた。
久しぶりに長文が消えた。
しょうがない。

「しょうがない」と言える今の自分は、
たぶんあまりオーラを出していないとふと思う。
もっと前は、イタイ部分を削り削りして書いてたから、
それはもう、強烈にエネルギーを費やした挙句長文が消えたら、
呆然とするしかなかった。

落ち着いているのか、開き直りつつあるのか、よくわからないけれど、
確かに若干なにかが違うのかもしれないなあと思う。


今朝がた、ほんの少し眠ったらうなされて、
そのあと眠れなくなったので、秘密兵器のアルコールを摂取すべく、残ってた安物の白ワインと林檎ジュースを混ぜて呑んでみた。
口当たりが良くて、ワインは苦手な私でもOK。
ほんの少し酔うことができて、冷え切った体は温まり。
もう一度ベッドに戻る。
うとうとと2時間ほど過ごす。

それから、集団面接へ。
世の中じゃ、危ない危ないと言われている流通大手。
なんでそういうところばかり…。(涙)
本命でないから気が楽なのか、わりと落ち着いている。
私は集団面接しか受けたことがないけれど、
たぶん、個人面接よりはるかに、自分が出せるような気がする。
それは、私が他人の話を聞くのが好きだから、きいてるうちに
表情とか気持ちがほぐれて、リラックスするからだと思う。
今日もそう。
吃音のきつい男の子がいて、一生懸命しゃべるんだけど、
緊張のせいか、ほとんど聞き取れないの。
ケナゲでケナゲで、思わずじっと見つめてしまい、うんうん頷きながら
頑張れ頑張れエールを送ってしまった。
そうしてるうちに自分も元気になるから不思議なことだ。

集団面接というのは、実は個人面接よりもはるかに難しいといわれてもいる。
それは、まわりと比べられるから、協調性とか、優劣とか、はっきりしてしまうということらしい。
とすると、私は協調性はあるということなのか。
でも、協調性=没個性ってことでもあるのよね…。(苦笑)

他のコも、どうみてもエントリーシートを用意して覚えてきましたというような読み上げタイプだったり、声がすごくか細かったりで。
6人中紅一点だった私が、実はいちばん喧しかった。(笑)
圧迫面接でないから、のびのび笑顔でいれらたのがよかったんだろうな。
今日はほんとうに1時間が早く終わった。
結果も今日のうちにわかるという異例の速さで、
そんなところにも、企業の姿勢が見えるなあと思ってみたり。

これで落ちたらどんな面接すりゃいいのかわからなかったから、
とりあえず認められたなら、あのくらい乱暴な言葉遣いでもいいってことなのか。

実際、苦虫を潰したような顔をしていた面接官。
それは私が、その企業の欠点を指摘したから。
でも私は、その欠点を自覚して、再生しようとしてるからこそ、それが最大の強みになるだろうと言った。
実際そう思ってる。
慢心してるトップ企業より、落ち目が面白いってのは、たぶんそういう部分。(笑)
ただ、そういう率直さが受けるのは、若手社員相手だけなんだろうけど。
先は人事のお偉方だ。
おじさま相手に、率直に暴れるのは、どうなんだろう。
大人しくすべき?
でも無理。私は私らしく暴れてくるしかないのだ。


ただ。
たとえば今日みたいな。
積極的で、はきはきしていて、言葉遣いはよくないが、身振り手振りありでウルサくおしゃべりしているような妙な女は、果たして、ほんとうに「私」なんだろうか。
誰も知らない私?
意外性って言われるたまに出る「私」?
それとも、無意識に欺いてるの?
いやな演技?

なにか、躁状態のような気がして、変な気分。
興奮状態で、すべてが終わったあと、どっと疲れるの。
自分の感情とか表情とか言葉とか抑揚とか、コントロールしてるのは、
私じゃないような。
ここにいるやけに社交的な私は、誰なんだろう、と内側で「私」が見ている感覚だ。


帰りに、「お疲れ様でした〜」と仲間だった男の子2人に声をかけ、
駅まで一緒に帰る。
しかもそのひとりをナンパし、メールアドレスを聞いたりしてたら、
相手が大学の就職課で資料をもらったというので、
なんとコピーにまで付き合ってもらえた。
いろいろ礼儀正しい口調でしゃべってくれる。
まあ、親切な人もあるものだ。
しかも。
私がえらくしっかりしていると映ったらしく、妙に尊敬されてるのは気のせいじゃない気がする。
おかしい。
なにかがずれてる。
私はどこかでエイリアンにのっとられたのか。
でなければ、私がめちゃくちゃ苦手な男子になんぞ声をかけられるものか。


ひとつ、可能性があるとすれば。
面接という特異な状況へ自分を前に、
ふだんの劣等感でいっぱいの私のまま立ち向かうわけには行かないので、
積極的な部分だけを表に出して、あとは仕舞いこんだ「私´」が、
精一杯空回りしてるようなイメージなんだろうか。

だが、このまま上手くまわりつづけるはずがないと思うのだ。
そのうち、変な風に滑りそうな気がするのだ。
燃料切れが怖い。
ものすごく怖い。
いまのうちから全力出してたら、息切れする。
もっとあとで、出てきてよ。>「私´」

というか、「私´」が認められたところで、受けの悪そうな本家の「私」のほうはそれでいいのか?
やってゆけるのか?
そこが一番の問題。
やっぱり、化け猫(おしとやかになるやつではなく逆にうるさくなる)かぶってるんだろーか。

わからん。


2001年03月19日(月)
初日 最新 目次 MAIL HOME


My追加