unsteady diary
riko



 電話にまつわるエトセトラ


突然だが、うちには留守電というものがない。
当然、FAXもない。
11年間、電話を買い換えてないから。
ほんの1年ちょっと前までは、携帯さえ持ってない身だったのだけど、
基本的に電話が苦手なので、それはそれでよかった。

だが、ときは就職活動期。
そう、電話連絡がほとんどで、しかもうちの母はあまり家にはいない。
そして私も携帯をバイブにしてると、ほとんど気づかない。
もしくは、出られない時も多い。
電車に乗ってたりすると、困る困る。

実はこのあいだは、電車のなかで、けっきょく電話に出てしまった。
明らかに採用関係の電話だとわかってたから、
出なかったらどうなるか、怖くて。
でも、後悔した。
あれは…出るべきじゃなかった。
自分が電車のなかで電話してる人を迷惑だと思うくせに、
本人がそれをやったわけだから。
短い電話ならともかく、相手次第では長くもなるだろうし。
それに、後ろめたくて冷静になんか話してられない。
けっきょく、その電話は途中で切って、後日あらためてかけなおすと約束。
だが、最初はすごく機嫌の良かった相手も、電波が悪くて電話番号を聞き取れなかったりしてるせいで、最後は不機嫌に。
せっかく、けっこう私を気に入ってかけてくれたらしいのに。
…へこんだ。

だが、出られただけよかったくらいで、留守番がなければ、携帯が電波の届かないところにあったときなんか、連絡があったことさえ、わたしは知りようがないのだ。合格してても何度かかけてダメなら、容赦なく切り捨てるらしいから。
はじめるまで、通過して電話がかかってくるという想像をしていなかったから、
まったく気づかなかった馬鹿な私なのだけど、これはそうとうにまずい状況みたい。

母が意を決して、父がどんなに反対しても、お金は母のピアノのレッスン代で稼いだぶんから出すから買おうと言ってくれた。
だがっ!
いったん母がお金を使えば、父はそれから先のすべての電化製品などを
「だったら自分らで買え」と言い出すに決まってるのだ。
だからいままで、どんなにレンジが壊れて肉まんがかちこちになろうとも、我慢してきたわけで。

父の頑固は、金額の問題じゃないらしい。
とにかく、使えるものを捨てたり、買い換えたりするのが、わがまま、浪費だと言い捨てる。直せそうな可能性があれば、極端な話、新しいのを買うのより少ししか安く上がらないときでも、直す。たいがいのものは、自分で直す人だし。
ポリシーはご立派だと思うわ。
だけど、実際それを振りかざされる身になると、たまらないこともある。

この電話をかれこれ11年使って、まだ不満?>父よ
もうそろそろ留守電くらいあってもいいと思うんだけど。
というか、マジメに困ってるの。

ほんとうは一刻も早くつけたいんだけど。
11年も前の機種で、しかもドアホンも一体型の変なやつなので、
買い換えるのも、けっこう時間がかかるらしい。
どれから解決できるかなあ。


もうひとつ、憂鬱なのは。
電話…機械の問題じゃなく、私自身が苦手だということ。
心臓に悪い。
電話をかけるのも勇気が要るが、受けるのはもっと。
電話のベルが鳴ると、身が縮まる。
責められてる気がする。
なにか悪いことしたんじゃないかと反射的に思う癖がついてるような。
負け犬根性とか、臆病者とか言われることもあるけど、
しょうがないのだ、こればっかりは。

あの機械があることで、自由を圧迫されてる気がして、かなりイヤだ。
家の電話はまだ母が出ることもあるからともかく、携帯は……。
だから私は、携帯にわざとメールをつけてない。
これで少しは、ただの雑談のために、びくびくしなくてすむからね。
そういう努力のない分、私は知り合いが少ないんだろうけど。
そんな努力は、嫌いだからしない。
そんなふうにこれまでは言い張ってこれたけど、就活は…。

誰だか番号の判らない着信履歴だけがあると、
気になって気になってしょうがない。
ちょっとした蛇の生殺し状態だよ、もう。



21日part2


出版社でも、文芸関係が強いところはかなり保守的みたい。

“本籍”が必要?
(詳しい番地までは書かなくていいのだから、いわゆる門地差別ではないはずだけど…理由がわからないぞ)
“家族状況”ですと?
確かにいまだにそういうことを訊いてくる企業があるとは聞いたことあったけど。
きっぱりはっきり、こういうのが自分の性格には合わなさそう。

別に家族を書こうが困ることはないんだけど。
むしろ、表向きだけはリッパなご夫婦ですから、
ええ、書くのに苦労はしやしないが。(ヤケ)

そういう実際問題じゃなくてさ。
これでなにを見たいの?と思ってしまうわけ。


好きな出版社像は、理想主義のようだけど、規模が小さくても出してる本があたたかいところ。
たとえば、サイトがとてもよくできてたり、読者の声が反映されてたり。
でも、そういう良書を出してるところは小規模の出版社が多く、財政がよほど厳しいのか、10以上めぐったけど、今年はどこも採用を見合わせるそうだ。
淋しすぎる。

“採用未定”だった、児童書出版の老舗(すごくいい絵本がたくさん)は、やっと情報をのせたので、狂喜して見てみたら、散々焦らした挙句に採用なし、だという。
けっきょく、薄給でも働けたらいいなと素直に思う、私がファンしてる会社が、ほとんどリストから消えてしまったじゃないか〜。(涙)

2001年03月21日(水)
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