ニッキ ゆり 【HOME】
- 2002年11月05日(火)
午後8時。
外はすごく寒くてさっきまで暖かかった指の先も
あっという間に冷たくかじかんでしまった。
「もう風呂入った?」
「まだだよ。」
「ダッシュでコンビニまで来て」
「え?もう近いの?」
電話が来てすぐパーカーを羽織り家を出た。
少し早歩きでコンビニまで歩いた。
すぐに車を見つけて、歩きながら店内を見た。
立ち読みしてる姿をすぐに見つけた。
かけよって本の中を覗き込む。
「日本のラーメン」なんて本をすごく真剣に読んでいて
『お、ここ行った!』『ここうまいんだよな』なんて言っている姿を
この上なく愛しく思った。
駐車場に戻り、車の中で話をすることにした。
外も車の中も気温の差はあまりなく、とても寒かった。
すぐにエンジンをかけて暖房をつけてもらった。
すぐに土曜日に書いた手紙を渡した。
本当はその場で読んで思った気持ちを話して欲しかったけど
今は読んでいる姿を見ているよりも、話していた気持ちのほうが強くて
「あとで読んでね」と言った。
「もちろん、そのつもりですよ?」なんて返ってきたけど。
「手紙なにげに好きなんだよな」
「よかった。ワタシ書くの好きなんだ」
ビューンと車を飛ばし家の近くまで来た。
だいぶ暖かくなった車の中で少し話をした。
近所迷惑になるからエンジンは切って
とても静かな車の中でゆっくり話をした。
今週末で実習が終わること、これからの週末の休みのこと
第3者的に見た昼間のワタシたちのことなど。
「雑誌を買いに行く」と言い家を出てきたから
そんなに長く一緒にいられないと思う気持ちと
でもまだ一緒にいたい気持ちが入り混じって
結局、気が付いたら40分もたっていた。
楽しい時間はあっという間にワタシたちを寂しさの中へ連れ込みたがる。
暖かい首元に顔をうずめてしばらくした時
「何考えてる?」と聞いた。
「いや、別に何も…。小せぇなってことぐらい…かな。」
「ふふふ。」
「なーにも考えたくないよ。こうしてるのもされるのも好きかもな」
「ワタシもおんなじ」
上着は着ないと言い張っていたのに
今日の寒さには勝てなかったのか
ニットのパーカーを着ていた。
頬っぺたに当たるニットがちくちくして少し痛かったけど
それでもワタシは「もうちょっと」とわがままを言った。
とても驚いた事があった。
ワタシが2年前地元のメンズ洋服屋でバイトしていた時に買ったトレーナー。
それと同じものを着ていたということ。
朝、顔をあわせた時とっても驚いてしまって
車の中でそのことを伝えたら「フリマで200円だったよ」と言われた。
「ワタシ4900円もしたのに」
「フリマ大勝利!200円だもんな」
強くギュと抱きしめたらワタシの方が苦しくなってしまって
「無理するから」と笑われてしまった。
「そんなに小さくないもん」と強がって、二人で笑った。
たった40分でも週末から思うように会えなくなるワタシたちには
とても貴重な時間だったと思う。
会議の後の疲れた後に家の近くのコンビニまで来てくれて
会って話が出来た事は、とても嬉しかった。
さっきまでかじかんでいた手も
握ってくれたおかげですぐに暖かくなった。
車を降りてUターンして戻っていく車が
一個目の角を曲がって見えなくなるまで見送った。
最後はいつもクラクションを一回鳴らしてくれる。