ニッキ ゆり 【HOME】
- 2002年11月16日(土)
ギュッと抱きしめられると
まだお酒の匂いがした。
金曜日、友達との呑み会が3時に終わり
そのままワタシの部屋へ来た。
「湾岸通って来たけど、どこをどうやって来たのか
さっぱり覚えてないよ」
眠りそうな声でそう言うと
スース−を寝息を立て始めた。
目を覚ますと大好きな人の気持ちよさそうな寝顔が隣りにあった。
「おはよう」といい、首元に顔をうずめた。
お酒の匂いは前の日よりもしなくなっていた。
迷子にならないように手を繋いで
人ごみの中を歩きながら買い物をした。
「チョコレートとクッキーどっちがいいかな?」
「どっちでもいいよ。俺は食わないぞ?」
「…ならやめとこうかな」
答えはまだ聞いていない。
きっと考えている最中なんだろうけれど
待っているワタシにはやっぱり寂しい時もある。
好きになるのに時間は必要ないけれど
それ以上へステップアップするには
やっぱり時間はとても大切なんだと改めて感じた。
だけど、確実に前に進んでいる事はわかった。
相変わらず暖かい体。
首もとに顔をうずめて何度も確かめるように
大好きな人の大好きな匂いをかいだ。
ワタシの大好きなものだけで作り上げてきたこの部屋で
大好きな人と一緒にいられるのは1日が限度。
わかっているけれど
「何時に帰るの?まだ居るよね?」
何度も聞いてしまったワタシはとても弱いかもしれない。
お気に入りの灰皿を間にはさんで
たくさん話をした。
たくさん抱きしめてたくさん体温を感じた。
2人で煙草を吸いながらたくさん笑いあった。
テレビを見ていて、たまに顔を覗くと
とても真剣な顔で競馬を見ていて
「ふふふ」と笑ってしまった。
「なんだよ。4番応援してるんだよ。」
ふくれながらそう言ったけど
なんだかおかしくて、また2人で笑った。
家の前で車を見送り部屋へ戻ると
飲みかけのコーヒーがあった。
さっきまでの気持ちでいられなかった。
とてもとても寂しくなり電話をかけた。
ワタシは弱虫すぎた。
だけど、1人の部屋で声を聞くと
もう元気になっているのは
ワタシがとても単純だから。