ニッキ ゆり 【HOME】
- 2002年12月26日(木)
12月25日。
夜眠る前や、朝目が覚めたとき
一番最初に頭に浮かんでくる事は大好きな人のことだった。
もう会えないのだ、と頭では理解していても
それがココロと繋がっていなくて、「もしかしたら」なんてことを
どこかで期待して、頭の中で「会えるわけないよ」と呟いて
胸が痛くなる。
思い出すのは楽しい時間で、その過ぎた時間の中に今のワタシの存在を重ね合わせる。
少しの喜びの後に訪れるのは絶望に似た気持ち。
孤独感は感じない。と言ったらそれは嘘になる。
大好きな人を手放したのはワタシ。
それなのに、もう一度手をつかみたくてしかたない。
会いたい。それだけしか今は考えられなくて
どれくらい謝ったら戻って来てくれるのかとか
どれくらい今の気持ちを伝えたら戻って来てくれるのかとか
そんなことばかり考えて1日が過ぎていく。
前を見なくちゃいけない。
男なんて星の数ほどいるんだ。そうなんだ。
自分が無理をしなくても一緒に歩いていける人は
これからたくさん出会うんだから。
今よりもっと辛いことが待っていて
だけど今までよりも嬉しいこともこれから先にちゃんと用意されている。
だけど、今は大好きな人にもう一度だけ触れたい。
「もう一度」だけ、と切に願う。
夜10時。
「ハッピーニューイヤン」なんていうふざけたメールが届いた。
−それを言うならメリークリスマスでしょう。
−いかがお過ごしで?
−昨日は友達と呑んで、今日は家にいるよ。
−ちょいと呑む?
−お金ないからいいや。ごめんね。
−バイクでお台場なんか行く?
−あーいいねぇ*
友達のバイクに乗るのは久しぶりだった。
うかつにもワタシは手袋もマフラーもしないで後ろに乗った。
全身で風を浴びることはなかったにしても
ギュっとつかんだ手に冷たい風が痛いほどぶつかってきて
かじかむを超えて痛かった。
風が痛いほど顔に当たってメットからはみ出した髪の毛が
顔にバシバシ当たって寒くて涙が出た。
バイクの後ろに乗って風を受けながら、こんな風にしてこのまま忘れられたら、なんて考えていた。
レインボーブリッヂと東京タワーが見える場所まで行って
お笑いのネタを見せてもらっていっぱい笑った。
何も知らない友達は「どうしたの?暗くない?」と聞いてきた。
ふいに聞かれてワタシは我慢できなくて…泣いてしまった。
「ごめん。1分だけ。待ってて。すぐ笑顔になれるから」
「無理しなくていいよ」
黙って隣りに座ってくれていた。
気を紛らわせてくれる友達はいっぱいいるのだけれど
大好きな人とどうしても重ね合わせてしまう。
とても失礼なことなのだけれど、頭の中は今もあの時から進んでいなくて
あの時のままで止まったままで、どうしたら進むのかさえもわからない。
2時間ぐらいフラフラと歩き回って
すぐに帰ってきた。
「何があったかわからないけど、私ならいつでも話し聞くからね」
「ありがと。ネタ見せがんばってね」
部屋に戻って煙草を一本吸った。
海での出来事を思い出してしまった。
今のワタシの頭の中は
大好きな人が側にいてくれた時以上に大好きな人でいっぱいになっている。
こんな風になっていることさえ知らずにいる大好きな人に
今とても会いたくて、だけど、早く前に進みたくて。
知らなくてもいい過去を知ってしまってとても辛かったのだけれど
それでもいいなんて思っていたのだけれど
待てると思っていたし頑張れると思っていたのだけれど
結局、何も出来なかった。
ワタシなりにやってみたけれど、何一つ出来た事は無かった。
その事実を受け止めているけれど、まだどこかで期待してしまっている。
「もしかしたら」をどこかで信じてしまっている。
強くなんてなれなかった。
そこには強がりしかなかった。
諦めちゃうまえにまだやれる事があるんじゃないかって
やっぱり考えてしまう。
サンタさん。ワタシを大好きな人の所へ連れて行ってください。