【復活!】ダイエットなDIARY
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三輪(丸山)明宏の歌に「ヨイトマケの唄」というのがある。
♪カーチャンのためならエンヤコラ 子供のためならエンヤコラ
という労働歌にまつわる思い出を歌にしたものである。 昭和30年代に数年かけて反響を呼んだ歌だ。
NHKでこの歌ができたいきさつをドキュメンタリーにしていていた。
戦争で夫を失ったため、そして子供を育てるために土方仕事をする女性。 貧しいため子供は汚い格好をしていて、青バナをたらし、学校でもいじめられている。 三輪もいじめる側にいたそうだ。
授業参観の日。 他の母親たちは化粧をし、着飾った格好で授業を見ている。 遅れてきた薄汚れた作業服に前掛けをつけてきた母親。 顔は土方仕事で日に焼けている。
休み時間、その女は子供のところへ行き襟などを直したりしてやっている。 青バナを口で吸ってやり、ペッと吐き出す。
その姿に少年であった三輪は心打たれたという。 その時は汚いと思ったが、他の母親たちが着飾り、見栄や嫉妬に溺れている時に、その母親だけが自分の子供のため体裁などかまわずに母性のまま振舞っていた。 その感動と衝撃を、後年、歌にしたという。
その後に現在の三輪がスタジオで歌った。
観ていて、オレはものすごい泣いてしまった。
いつか機会があったら聴いてみるとよい。 貧しい時代、弱いものには真っ先にシワ寄せが来る。 戦後10年ぐらいの頃には沢山いただろう。
そして土方仕事をやりながら子供を育てている女性は今でもいる。 あるいはゴミ焼却場で。 あるいは工場で。 あるいは建設現場で。 あるいはゴルフ場で。 あるいはさびれた漁村で。 農村には、直角に腰が曲がってしまうまで働いた老婆も珍しくない。
第三世界には日本とは比べものにならないぐらいいるだろう。
どんな世界であれ、人間の社会は一部のエリートだけに富が集中する。 それが極端であるかどうかの程度の差があるだけだ。
貧しい者たちは、5、60年ぐらいの短い生涯のほとんどをつらい仕事をして死んでいくのだ。
彼らの祈り、声にならない悲しみ、それらはどこにも届かないのだろうか。
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